河北潟からのお客さま
2014/02/03
草刈です。
先日、石川県にある河北潟から、私たちの事務局にお客さまがありました。NPO法人河北潟湖沼研究所のスタッフの方です。
河北潟は日本海に面した潟湖で、もともとは海とつながった汽水域(海水と淡水が混ざる水域)の湖でしたが、江戸期以降は干拓が盛んになり、農地としても利用されてきました。
そして1960年代の大規模な干拓事業で、農地が大幅に拡大。ほぼ淡水の湖となり、現在に至っています。
しかしこの開発の歴史は、海水と淡水双方の恵みに育まれた、河北潟本来の豊かな自然を損なってきました。
NPO法人河北潟湖沼研究所では、そうした中で、手での田植えや草取り、農薬・除草剤の不使用などにこだわった(生物多様性)「七豊米」や、外来種の水草を肥料として利用し、農薬や化学肥料を使わない「すずめ野菜」の栽培を推進。こうした取り組みを通じて、河北潟の自然を取り戻し、循環型地域社会の実現を目指して頑張っています。
また、周辺に生息する、絶滅のおそれのある野生生物についてまとめた『河北潟レッドデータブック』も刊行するなど、地域の生物多様性の保全にも尽力しているとのこと。
この本を見ると、この50年間に河北潟がどのような変遷をたどり、その中でどのように生きものたちが姿を消してきたのかが、実によくわかります。
今後は、地方の市民や自治体が、より盛んに自主的に地域の景観、生物多様性の保全を進めてゆくことが期待されていますが、その中にあって、多角的で先進的な取り組みの例と感じました。
一つの地域の自然を深く見つめてみると、そこにもっと大きなテーマや、大事な視点が見えてくることがあります。この河北潟も、そんな場所の一つなのかもしれません。
NPO法人河北潟湖沼研究所の皆さん、これからもぜひ頑張ってください!