©nature works

11/25 渋谷で魚たちと田んぼの不思議な関係を知ろう!


秋の日が心地よい季節。この時期ならではの味覚も気になるシーズンです。
この秋に魚を添えた「鰍」という漢字があるのですが、この字、ご存じでしょうか?
「カジカ」です。
川などにすむ日本固有の魚で、食材としては今がシーズン。
でも、スーパーなどではそうそう売っていませんし、知らない!という方も多いと思います。

それでもカジカ昔は、身近な水辺でも多く見られる「当たり前」の魚の1種でした。
しかし、川や田んぼ、水路といった自然が、河川改修などで失われた結果、各地で減少。
このカジカをはじめ、日本に生息する淡水魚は、今やその42%が絶滅危機種となっています。

©N.Onikura

アリアケスジシマドジョウ。九州北部の固有種で絶滅危惧種(EN)。田んぼのまわりの農業用水路や細流に生息していますが、数が減っています。

そんな、身近でありながら、人知れず姿を消していく魚たちと、日本の原風景ともいえる田んぼや水路の景観を未来に引き継ぐために。

今、私たちは「水田・水路の生物多様性と農業の共生プロジェクト」を展開しています。

その一環として今回、東京の渋谷で「淡水魚の原画展-日本の原風景を泳ぐ絶滅危惧種15選」を開催することにしました。期間は11月23日(祝)から12月2日(日)まで。

この原画は長年、さまざまな野生生物の絵を手掛けてこられたNPO法人nature works代表の小村一也さんの作品です。

ニッポンバラタナゴ
自然度の高い水路の減少に区分け、人間が持ち込んだ外来生物のタイリクバラタナゴとの交雑により減少しています。

また、11月25日(日)には同会場で特別に! 九州大学より淡水魚の専門家で、プロジェクトのパートナーでもある鬼倉徳雄准教授をお招きし、この上なくユニークな生態を持つ魚たちと、田んぼの豊かな自然との不思議な関係をお話しいただくことにしました。

©WWFジャパン

魚を獲る投網の準備をする鬼倉准教授。獲った魚の種類や数を調べます。何投しても疲れない省エネ投法を編み出したそう。

©WWFジャパン

鬼倉先生率いる九州大学アクアフィールド科学研究室メンバーによる調査の様子。調査地点は140カ所にのぼります

絶滅危機種の魚たちが今も息づく熊本県玉名市の田んぼで収穫された、新米のおにぎりも味わっていただきながら、フィールド一筋30年という鬼倉先生が語る魚たちの魅力に、ぜひ耳を傾けていただければと思います。(C&M室 若尾)


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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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環境保全団体です。

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