冬のロシアで1カ月待ち!?野生のアムールヒョウの撮影談


※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。

こんにちは、広報室の山本です。

先日、WWFジャパンが支援している、極東ロシアの「ヒョウの森国立公園」の活動現場に行ってきました。

その折、以前、野生のアムールヒョウの貴重な子育ての様子が動画におさめられた、「ヒョウの洞窟」へ、案内してもらう機会がありました。

国立公園のガイドに案内され現場に着くと、そこにはアムールヒョウの足跡や、通った道、そしてアムールヒョウが食べたシカの骨などの痕跡がまだ残っていました。

しかし、さすがに最大でも80頭ほどしかいないアムールヒョウ。

野生の個体を実際に見るのは、容易な事ではありません。実際、その姿をカメラに収めるには、この現場で数週間!気配を消すようにして、じっと待ち続けねばならないのです。

ヒョウの洞窟

撮影ポイント。中央の岩の上にヒョウが来るそうです

そんなわけで、現地のカメラマンに教えてもらった撮影に必要なことは以下の3つ。

まず「忍耐力」。
ヒョウが現れるのを狭い小屋(ほとんど独房!)の中で孤独に耐えながら、待たねばなりません。ちなみに、撮影のベストシーズンは冬です...

次に「観察眼」。ヒョウが現れた足跡や糞などの痕跡。これを見逃してはいけません。

最後に「決して焦らないこと」。1カ月以上待つのも普通とのこと。私はどうも耐えられそうにありません(笑)。

WWFロシアの仲間たちの頑張りのおかげで、近年アムールヒョウは着実に数が増えています。

とはいえ、野生は甘くありません。そうそう簡単に見たり撮影できたりするものではない、ということは、今回現場で話を聞き、あらためて実感しました。

私たちのウェブサイトや印刷物では、しばしばアムールヒョウの写真や動画をご紹介していますが、この一枚を撮るために、カメラマンがどれほどの苦労をしているのか!

目にされた折には、皆さまにも思い出していただけたら幸いです。

撮影小屋。撮影は、自動カメラと人によるカメラを併用して行なわれます。 自動撮影カメラは木に仕掛けられ、人は小屋でじっと待機します

小屋の中。狭っ!!ここで冬に一カ月...

関連記事

この記事をシェアする

WWFジャパン ブランド・コミュニケーション室 メディア グループ長
山本 亜沙美

大学時代の専攻していた海洋生物学をきっかけに、絶滅危惧種や環境保全活動に興味を持ち始める。2005年卒業後、米セントラルフロリダ大学院にて生物学を学び、2007年に卒業。卒業後、航空会社にて運行管理のオペレーション業務に携わった後、2010年にWWFジャパン自然保護室アシスタントとして入局。2013年より広報・プレス担当として、取材対応、記者発表などをはじめとしたメディアリレーション、イベント企画・運営などに携わる。2018年7月からメディアグループ長として、広報全般・WWFジャパンのブランドコミュニケーションを担当する。

海洋生物学が専門のリケジョな広報プレス担当です。人の心に響くものはいつの時代も変わらずですが、今は伝える手法が多様化しつつあります。情報のトレンドを追いかけ、常に一歩引いた視点で物事を見るように心がけています。休みがあればスクーバ&スキンダイビングをしにどこかの島に行っています♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP