冬のロシアで1カ月待ち!?野生のアムールヒョウの撮影談
2015/12/10
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
こんにちは、広報室の山本です。
先日、WWFジャパンが支援している、極東ロシアの「ヒョウの森国立公園」の活動現場に行ってきました。
その折、以前、野生のアムールヒョウの貴重な子育ての様子が動画におさめられた、「ヒョウの洞窟」へ、案内してもらう機会がありました。
国立公園のガイドに案内され現場に着くと、そこにはアムールヒョウの足跡や、通った道、そしてアムールヒョウが食べたシカの骨などの痕跡がまだ残っていました。
しかし、さすがに最大でも80頭ほどしかいないアムールヒョウ。
野生の個体を実際に見るのは、容易な事ではありません。実際、その姿をカメラに収めるには、この現場で数週間!気配を消すようにして、じっと待ち続けねばならないのです。
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ヒョウの洞窟
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撮影ポイント。中央の岩の上にヒョウが来るそうです
そんなわけで、現地のカメラマンに教えてもらった撮影に必要なことは以下の3つ。
まず「忍耐力」。
ヒョウが現れるのを狭い小屋(ほとんど独房!)の中で孤独に耐えながら、待たねばなりません。ちなみに、撮影のベストシーズンは冬です...
次に「観察眼」。ヒョウが現れた足跡や糞などの痕跡。これを見逃してはいけません。
最後に「決して焦らないこと」。1カ月以上待つのも普通とのこと。私はどうも耐えられそうにありません(笑)。
WWFロシアの仲間たちの頑張りのおかげで、近年アムールヒョウは着実に数が増えています。
とはいえ、野生は甘くありません。そうそう簡単に見たり撮影できたりするものではない、ということは、今回現場で話を聞き、あらためて実感しました。
私たちのウェブサイトや印刷物では、しばしばアムールヒョウの写真や動画をご紹介していますが、この一枚を撮るために、カメラマンがどれほどの苦労をしているのか!
目にされた折には、皆さまにも思い出していただけたら幸いです。
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撮影小屋。撮影は、自動カメラと人によるカメラを併用して行なわれます。 自動撮影カメラは木に仕掛けられ、人は小屋でじっと待機します
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小屋の中。狭っ!!ここで冬に一カ月...