ボルネオの木材生産林で、野生のミュラーテナガザルに出会いました!
2016/09/14
先日、ボルネオ島のインドネシア領、西カリマンタン州の森へ行ってきました。
そこは、企業が木材の生産を目的とした森の伐採権を持つ場所。
ですが今回訪れたその森は、どこを見渡しても高い木がビッシリと生え、一見とても伐採している森には見えません。
保護すべき木を残し、定められた太さに育った木だけを伐る「択伐」を行なっているため、木材の生産を続けながらも、森が守られているのです。
木を切る=森を傷つける、と思われがちですが、このように「持続可能」な木材の生産をしている企業もあります。
その森では、オランウータンの食物となる木や、ミツバチが巣を作る木など、守るべき木の細かな規定を作り、管理していました。
既に2回伐採したという区域でも、立派な木が並んでいる様子を、車窓越しに感心しながら眺めていると、企業の野生動物調査担当スタッフが何かを見つけました。
慌てて窓の外を見ると、そこには野生のミュラーテナガザルが!
しばし見つめあった後、長い手で枝をつかみ、体をゆらしながら森の中へと消えていきました。
この企業は、適切な森林管理を認証するFSC(R)の認証を2011年に取得。
そして認証取得後も、この企業では、森の周辺や内部にある村の地域住民と共同での密猟、密伐採防止のためのパトロールや、より環境負荷が少ない地域住民の代替産業の開発など、さまざまな取り組みを続けています。
ボルネオの森の木材が日本でも多く使われていることから、私たちもWWFインドネシアの仲間たちと一緒に、こうした活動の支援を行なっています。
野生動物だけでなく、人が生きるためにも必要な森。
そんな森を守る取り組みを、これからもお伝えしていきます。(広報:松岡)