米大統領選挙とWWFのロビー活動
2024/09/21
はじめまして。企画管理室の小出水(こいずみ)です。私は、かつて地方議員の経験があることから、どうしても選挙に関心が向いてしまい、今年秋の米大統領選挙についても、内外への影響が大きいことから、注視しているところです。
米大統領選といえば、2015年12月、民主党のバラク・オバマ米大統領の下、アメリカの政府代表団が交渉の成立を牽引した「パリ協定」ですが、1997年に定まった「京都議定書」の後を継ぎ、国際社会全体で温暖化対策を進めていくための礎となる条約として、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較し、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的としているもので、フランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で、世界約200か国が合意して成立しました。
しかしながら、オバマ氏の後、2016年に大統領の座に就いた共和党のドナルド・トランプ氏は、2017年6月、パリ協定からの離脱を宣言し、同年8月、国連に通告します。
トランプ氏のこの動きに対して、WWFは、「今日、気候変動対策に対する世界の支持はかつてないほど高まっています。世界中の国や地方自治体、企業、コミュニティが、新たな低炭素経済に積極的に貢献しています。米国政府がパリ協定に引き続き参加することは、気候変動に対処するための長期的な世界的取り組みを達成する上で重要な推進力となります。WWFは、政権に決定を再考し、パリ協定を支持する米国の企業、市長、知事とともに立ち上がるよう求めます」との抗議声明を発表。また、2020年に民主党のジョー・バイデン氏が大統領に就任した際は、バイデン氏の環境政策を歓迎する旨の声明を出しています。
このように、世界第2位のCO2排出量を占めるアメリカの大統領選挙の動向は、パリ協定の目標達成に大きな影響を与えることから、WWFは、声明を発表するなどのロビー活動を通じ、米大統領選挙についても、国際環境NGOとしての役割を果たしています。
私も、こうしたWWFの活動をバックオフィス業務を通じて支えて参りたいと思います。