ネコがこんなにかわいくなった理由
2016/11/06
読書週間、そして読書の秋。
今日は、空前のブームと言われるネコに関する本をご紹介します。
その名も『ネコがこんなにかわいくなった理由』(出版、PHP研究所)。
保全生物学者の黒瀬奈緒子さんが書かれた本で、巷にあふれるネコ本とは一味ちがうネコの姿を見せてくれます。
アフリカ北部から西アジアに生息するリビアヤマネコが、長い時間をかけてイエネコになった、という話はご存知の方も多いかと思いますが、多くのネコ科の動物の中で、なぜこの種だけがヒトと暮らすようになったのか? 考えたことはあるでしょうか。
その意外な答えがこの本の中にあります。
他にもトラやヒョウなどのネコ科がどのように生まれ、分岐し、分布を広げたのか。
イエネコの品種がどのように作られたのか。
ノネコ問題の現状と今後の課題などネコにまつわる多くの話題が語られます。
以前は世界中にライオンが分布していたことや、短い尾が劣性遺伝であったことなど初めて知りました。
著者の主な研究対象はイタチ科だそうです。
そうした視点からコンパニオンアニマルであるフェレットへの思いや、調査からわかった屋外にいるネコのイタチへの影響など、興味深い事実も教えてもらいました。
研究者が書いた本というと専門的で難しそうですが、専門用語も丁寧に説明されていてとても読みやすいものでした。
私自身、石神井公園生まれのネコと暮らしていますが、この本を読んで愛猫の見方が少し変わったような気がします。
ご興味を持たれた方は、ぜひ秋の夜長のお共に...。(トラフィック 若尾)。