東日本大震災から7年を迎えて
2018/03/11
事務局長の筒井です。
東日本大震災から7年目となる今年の3月11日を迎えました。
事務局を代表し、ご親族やご友人、かけがえのない親しい方々を亡くされた皆さま、そして、今も多くの困難に向き合い、日々を過ごされている皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
日本の全国を見渡した時、震災の記憶、そしてその教訓は、残念なことではありますが、次第に薄れゆく印象がぬぐえません。
しかし、あの震災がこの国の歴史に、決して消えることのない大きな傷を残した出来事であったことは、誰もが思いを同じくするところと信じます。
そして、今も続く復興の道のりの中で、力を尽くしておられる多くの方がいらっしゃることを、忘れるわけにはいきません。
この震災にあたり、私たちWWFジャパンが「暮らしと自然の復興プロジェクト」を開始したのは、震災の翌月でした。
WWFがこの取り組みで目指したのは、被災地の皆さんとともに「暮らしと東北の豊かな自然のため、震災前を超えた復興」を実現すること。
そしてこの中で結実した一つの成果が、2016年の宮城県志津川湾でのASC認証の取得です。
ASC認証は、自然環境に配慮した「持続可能」な養殖業に与えられる、エコラベルの国際基準。
この世界の認める養殖水産物が、日本で初めて、被災地の海から誕生したのです。
大変嬉しいことに、ASC認証は、この1年で地元石巻市の他の漁協にも広がりを見せており、今後、宮城県名産の養殖カキの半分で、認証の取得が実現する見込みとのことです。
被災地で始まった一歩が、「持続可能な未来」に向けた、頼もしくも、新しい歩みにつながろうとしている。
このことはまた、日本だけでなく、「持続可能な社会」への転換が必要だと、痛切に感じている、世界の人々の期待にも応えるものといえるでしょう。
変化は起こさなければ起きません。
7年前のこの日から生まれた変化と、新たな可能性を育てながら、より良い社会創りを推し進めてゆくために。
そして3.11というこの日を、毎年、胸を張って迎えることができるように。
ぜひ皆さまも私たちと共に歩んでいただきたいと思います。
関連情報
- WWFジャパンの「暮らしと自然の復興プロジェクト」
- ASCについて
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- 世界が認める宮城県南三陸町のカキ