戸倉のカキ養殖が「生物多様性日本アワード」の優秀賞を受賞!
2017/08/24
海洋担当の前川です。
東日本大震災の被災地、宮城県南三陸、戸倉の海から、嬉しいニュースが届きました。
海の自然や労働者の人権に配慮した、持続可能な養殖に与えられる国際認証「ASC(水産養殖管理協議会)認証」を、昨年3月、日本で初めて取得した宮城県漁業協同組合の志津川支所戸倉出張所の取り組みが、「生物多様性日本アワード」の優秀賞を受賞したというのです。
このアワードは、イオン環境財団が生物多様性の保全と持続可能な利用に資する優れた取組を顕彰するもので、今回で5回目となります。
戸倉の例がすごいのは、名産品のカキ養殖施設を津波で全て損失し、再開の目途も立たない中で、生産者の皆さんが、ASC認証の取得を目指し、過密なカキ養殖を大きく改善する、新たな決断をしたこと。
そのためには養殖イカダを半分以下に減らし、生産量を落とす、という英断もしました。
結果、海の環境がよくなり、震災前は成長に2~3年かかっていたカキが、1年で大きく育つようになり、作業時間も大幅に短縮。
またイカダを減らしたことで、同様の災害が起きても、被害規模を抑えられるようになりました。
こうした取り組みは、多くの人々の共感を集め、ASC認証取得への原動力となり、さらには企業や団体、学校などから「研修を受けたい」という要望も多く寄せられるようになったそうです。
今回の受賞は、そんな戸倉の皆さんの頑張りが認められた一つの証。
2011年以降、「暮らしと自然の復興プロジェクト」の一環として、調査や環境教育、認証取得のためサポートをしてきた私たちとしては、喜びもひとしおです。
9月26日には授賞式がありますので、かけつけて彼らの受賞を一緒に喜びたいと思います。