サンゴの白化状況は?ドローンを使った調査を実施
2016/09/25
沖縄の石垣島・白保より「しらほサンゴ村」の鈴木倫太郎です。
今年初め、オーストラリアのグレートバリアリーフから、広範囲でサンゴが白化しているとのニュースが届きました。
もしかしたら、今年は日本の南西諸島でも例年以上の白化が起こるのでは?
その心配は現実となりました。
夏場、海水温の高い状態が続いた上、海をかき回し水温を下げてくれる台風がほとんど来ず、各地で白化現象が起きてしまったのです。
特に、こちら石垣島を含む八重山諸島は、9月半ばまで台風が来ず、大きな被害が出ているようでした。
その現状を調べるため、先日、国士舘大学の長谷川均教授と、白保海岸と米原海岸で、ドローンとデジタルカメラを使った、上空からの撮影調査を行ないました。
昔は、凧にフィルムカメラを取り付けて同じ調査をやったものですが、今は設定したコース上で、一度の飛行で位置情報を持った、100枚以上の画像が4Kの高画質で撮影できるんですね。
昭和生まれにとっては、夢のようなマシーンです。
当日は台風による風の影響がありましたが、ドローンは健気に飛んでくれました(もちろん飛行の許可を得ています)。
撮影した写真からは、米原海岸ではリーフの縁で多くのサンゴが白化していること、さらに白保海岸でも礁池でサンゴが広範囲に白化している様子が判りました。
この調査の結果は今後さらに詳しく分析し、12月の那覇での日本サンゴ礁学会で発表する予定です。
なお、9月17日に台風16号が接近した石垣島では、ようやく海水温が下がりはじめました。
このまま下がり続ければ、白化現象の拡大は何とか抑えられるかもしれません。
白化しても死なずに我慢し続けたサンゴ達が、復活してくれることを願いつつ、見守ってゆきたいと思います。