石垣島、名蔵湾のサンゴの「白化」
2016/09/02
沖縄の石垣島より「しらほサンゴ村」の鈴木倫太郎です。
例年台風が多く襲来するこちら石垣島。
しかし、今年は9月になっても台風が一つも来ていません。
沖縄では毎年、台風によって夏場の海の水温が下がるのですが、今年は台風が来ないこともあり、6月頃から高水温が続いていました。
そのため、石垣島の周辺でも、暑さに弱い造礁サンゴが「白化」し、弱ってしまう現象が目立っています。
昨日は、石垣島のシュノーケリング専門のマリンサービス「やーるーや」さんの案内で、島の西側にある名蔵湾内のサンゴを見に行ってきました。
ここは、島の他の場所より白化の割合が高く、7割以上のサンゴたちが白化しています。
それでも、ここ数日、島では風向きが北になり、気温とともに海水温が下がり始めたため、連日30度を上回っていた名蔵湾の水温も、28~29度まで低下。過酷な状況は脱したように感じられました。
ギリギリのところで頑張っているサンゴたちも、回復する可能性がありますので、このまま海水温が下がってくれることを祈るばかりです。
ちなみに、皆さんは「日本全国みんなでつくるサンゴマップ」という取り組みをご存知でしょうか。
これは、海で実際にサンゴやその白化を見た人が、その情報をウェブサイトに投稿し、知らせ合うというものです。
今年は、世界の各地でもサンゴの大規模な白化が報告され、心配されていますが、全てをくまなく調査するのは容易ではありません。
そこで、こうしたたくさんの人たちが参加できる「サンゴマップ」のような取り組みが、白化現象についての情報を集めるのに役立っています。
白化の研究とサンゴの保護を進めるためにも、まだまだたくさんの情報が必要です。
どなたでも参加できますので、もし「白化したサンゴを見たよ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ投稿をお願いいたします!
▼日本全国みんなでつくるサンゴマップのサイト
このサイトでは、サンゴの分布や今日本で起こっている白化現象の情報を、見ることができます。
- ※「サンゴマップ」は、2008年の「国際サンゴ礁年」を日本で推進する有志(科学者、教育者、ダイビング業界、NGO関係者)が設立した「サンゴマップ実行委員会」により運営されています。WWFはその 後援団体の一つです。