永田町へ行こう!「種の保存法」改正のゆくえ
2017/05/20
受動喫煙、共謀罪に憲法改正、国会審議が連日、さまざまな形でニュースに取り上げられています。
しかし、審議の真っ最中にもかかわらず、なかなか報道されない話題もあります。
たとえば「種の保存法」の改正。
希少な野生生物と生態系の保全を目的とした、日本の環境行政の柱の一つというべき、重要な法律です。
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国会議事堂。道を挟んだところに衆参両院の議員会館があります。
今国会で審議されているその改正案は、先月、衆議院で可決され、今週から参議院で議論されています。
ここで議員がどんな質問をし、環境大臣がなんと答えるか。そしてどんな附帯決議が付くのかは、今後の日本の自然保護を左右する重要なポイント。
そんなわけで、私たちも大切な取り組みの一つとして、永田町へと通い、審議で活発な議論がなされるよう、議員に働きかけるロビー活動を頑張っています。
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参議院環境委員会での審議の様子
「種の保存法」に関して主に会いに行くのは、本会議に先立ち、この議題を専門的に審査する「環境委員会」のメンバー。
しかし、誰でもNGO(民間団体)の話を聞いてくれる訳ではないので、野生生物の保全に関心のある国会議員を、足で探して歩かねばなりません。
もう一つ、私たちが永田町に行くケースには、国会の「参考人」として招致される場合があります。
参考人は、委員会が審査や調査のため、外部の意見を聞く必要があると判断した時、招かれる専門家で、WWFのスタッフもしばしば意見陳述をしてきました。
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参考人として呼ばれた自然保護団体のスタッフの意見陳述。参議院のサイトより
参議院での「種の保存法」の改正審議でも参考人質疑があり、18日にもこの問題に取り組んでいるNGOのスタッフが登壇しています。
野山や海のフィールドばかりが、自然保護の現場ではありません。
こうした模様を含む、国会審議の様子は、国会のサイトで動画配信されますので、ぜひご覧ください!(トラフィック若尾)
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種の保存法で保護が義務付けられているアユモドキ。日本固有種で、国際的な絶滅危機種として知られていますが、その最後の生息地の一つが今、京都スタジアム(仮称)の建設工事によって危機にさらされています。