東日本大震災から8年を迎えました
2019/03/11
事務局長の筒井です。
東日本大震災から8年となる3月11日を今年も迎えました。WWFジャパン事務局を代表し、ご親族やご友人、かけがえのない方々を亡くされた皆さま、そして、今も復興の労に向かい合っている皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
さて、大震災という歴史的な悲劇を契機に、日本の社会はどのように変化してきたでしょうか?
国土強靭化計画は着々と新たなインフラ整備を進めてはいますが、異常気象による自然災害は益々多くの被害をもたらしています。また、世界第3位となる日本の海洋水産物消費は、自然生態系が生み出す量だけでは支えきれず、消費量の約4割は水産養殖事業が支えています。21世紀は、これまでとは違う、新たな「人間と自然のかかわり方」を考え直す必要がある事を実感しています。自然はわたしたち人類が際限なく利用し続けても、必ず復元するという楽観論は科学的に成立しません。
私たちは将来を悲観してはいられません。新たに持続可能な世界を実現する為に、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に参画する企業や市民は年々増加していますし、実際に生活の中でこれを実践しようという動きもみられるようになりました。
また、WWFジャパンが震災後から支援をしている宮城県志津川湾で日本初のASC認証を取得した戸倉の養殖牡蠣を、サステイナブル・シーフードを応援している企業の社員食堂での導入を決定するなど確実に広がってきています。そして、こうした取り組みに賛同する他の企業も、サステイナブル・シーフードの導入に向け着々と準備を始めています。また、その高い品質と働き方改革の実施で、最近は若い漁師さんが沢山参入していると聞き、私は本当の意味で持続可能性が大きく前進したと感じ胸が熱くなりました。
3.11は日本の歴史に大きな悲しみと苦悩を刻み込んだ出来事ですが、復興に向け日々戦っておられる皆さまの努力が、この国の在るべき形に大きな影響を与えていると思います。
たったひとつしかない地球に暮らす一人として「地球一個分の暮らし」を、ぜひ皆さまと共に歩み、広めてゆきたいと思います。