メキシコのマグロ会議は終盤! さあ決着は!?
2013/06/14
メキシコのベラクルスより、水産担当の山内です。
こちらで開かれているIATTC会議、残り48時間を切って会議はいよいよ佳境に、と言いたいところですが、ある議論で堂々巡りをし全く会議が進まない状況です。
それは「漁船規模の適正化」です。
本来、IATTCでは、東部太平洋のマグロの資源状況を基に、特に「巻き網漁船」の漁船の数や規模を、しっかり制限することが合意されています。
そして現状は、この海域の漁船規模が「過剰」であるため、措置としては減らす努力をしなくくてはなりません。
ところが実際には、漁船規模の適正化がなかなか進んでいません。結局、年間の操業期間の中で「全面休漁期間」を設けることで、漁獲する資源量を抑え、何とか整合性を取っているのが今の策です。
それなのに一方では、これから将来に向けマグロ漁業を発展させていこうとする国から、例外的に認められた権利に基づき、毎年漁船規模の増加を申請する動きが止まりません。
これらの申請の言い分などを一つ一つ吟味し、議論していくため、会議次第が遅々として進まず、IATTC会議の一番大切な目的であるはずの「マグロの資源管理」の議論に、全く手がつかない状態が続いているのです。
この状況に日本やEUの代表団を中心に苛立ちが見え始め、私たちオブザーバーで参加しているNGOなどの間からも、ため息が聞こえてきています。
最近はこうしたIATTCのような漁業資源の国際的な管理機関に対し、その機能不全が問題視されることも多くなりました。
世界的にマグロ資源が危機的状況にある中で、各国の言い分ばかりがあふれ、大局観に欠けるこうした場面を正せないことこそが、その信頼性を損なう元凶となっていると実感するのです。