西表島・浦内川の生物多様性の豊かさについて学ぶ シンポジウムを開催しました ! さかなクンや生物の専門家も登壇し、西表島の住民など約400名が参加


公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)は、2024年6月15日(土)に西表島の住民の方々や西表島・浦内川(いりおもてじま・うらうちがわ)に関心を持つ一般の方を対象にしたイベント「さかなクンと語ろう! 世界有数の生物多様性を誇る西表島・浦内川」を西表島で開催しました。WWFジャパン親善大使さかなクンも参加した本イベントは、午前中は浦内川流域で旧稲葉集落視察とダイビング調査を実施し、午後のシンポジウムには地元の家族連れを中心に約400名が来場しました。

このイベントは、ユネスコ世界自然遺産にも登録されている西表島・浦内川の貴重な生物多様性を次世代へ引き継ぐために、地元の方々、特に島の未来を担っていく地元の⼦どもたちにその価値を共有していくことを目的にWWFジャパンと西表島エコツーリズム協会が開催しました。

イベント概要

⽇ 程:2024年6月15日(土)
内 容:
午前 さかなクンと浦内川流域を行く~ダイビング調査とかつて集落のあった旧稲葉集落・探訪
午後 シンポジウム「さかなクンと語ろう!世界有数の生物多様性を誇る西表島・浦内川 」
シンポジウム来場者数:約400名
主 催:WWFジャパン、西表島エコツーリズム協会
協 力:浦内川観光
後 援:竹富町、日本魚類学会、環境省沖縄奄美自然環境事務所

午前「さかなクンと浦内川流域を行く~ダイビング調査とかつて集落のあった旧稲葉集落・探訪」

さかなクンと一緒に浦内川観光のチャーター船で河口を出発し、まず旧稲葉集落の水辺再生地を視察しました。その後、希少淡水魚の生息地であるマリウドの滝周辺の渓流域でダイビング調査を実施しました。旧稲葉集落の再生池周辺では、戻ってきた湿地性植物や水生昆虫について専門家から解説し、またダイビング調査では、カワボラ等の絶滅危惧種の魚類の生息を確認しました。

旧稲葉集落の水辺再生地を視察(左)、浦内川観光のチャーター船にて(中央)、ダイビング調査の様子(右)

午後 シンポジウム「さかなクンと語ろう!世界有数の生物多様性を誇る西表島・浦内川 」

さかなクンをはじめとした生物の研究者やWWFオフィサーとともに浦内川の生物多様性の豊かさや、水辺に住む生き物の⽣態、川を守る取り組みを学ぶシンポジウムを開催しました。

シンポジウムでは、神奈川県立生命の星・地球博物館 名誉館員の瀬能宏氏による「西表島・浦内川における魚類の多様性」について講演がありました。また、浦内川流域の稲葉集落で幼少期を過ごした集落最後の住人である浦内川観光代表の平良彰健氏からは「浦内川流域の旧稲葉集落の暮らしと自然」について、また東海大学 教養学部 人間環境学科教授の北野忠氏からは「西表島における湿地性生物の減少」について発表がありました。西表島エコツーリズム協会会長の笠井雅夫氏およびWWFジャパン 野生生物グループの小田倫子からは「浦内川の調査と保全の取り組み」について話しました。

「浦内川の魚はすギョい」と題したさかなクンによるトークイベントでは、午前に実施した浦内川流域での生きもの調査の内容を盛り込んだクイズ形式による発表で、子どもたちの心を「生きもの・自然」で満たしてくれました。質疑応答&ディスカッションには西表島エコツーリズム協会理事の森本孝房氏も加わり、浦内川が世界稀なる希少な川であること、またこの生物多様性に富んだ自然環境を次世代へ引き継いでいく想いを会場の参加者と共有しました。

質疑応答&ディスカッション(左)と、WWFジャパン親善大使であるさかなクンによるトークショーの様子(右)

WWFジャパンは今後も、日本の特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコやカンムリワシをはじめとする野生生物の生息を支える、陸水の環境の再生・保全のための活動を、地元の方々、現地エコツーリズム関係者、そして研究者や環境省など多方面の方々と連携し進めていきます。

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