2007年以降で南アフリカのサイの密猟が過去最悪を記録
2015/02/06
記者発表資料 2015年2月6日
今年はサイの存続の正念場の年になる
南アフリカにおけるサイの密猟被害が2008年から増加し、2013年には年間で1,000頭を超えるまでに拡大した。
この急増を抑える努力が近年、続けられているにも関わらず、2014年には1,215頭が密猟により命を奪われるという、過去最悪を記録した。
3月にボツワナで開催される野生生物の違法取引撲滅のための国際会議に向け、国際社会が協調して緊急に行動をとることがいかに重要かが示された。
南アフリカ政府が1月22日に公表した1,215頭という数字は、月間平均では100頭を超える計算になり、2013年に記録した1,004頭を21%も上回るものである。
「密猟がこのような規模でおこなわれるということは、サイの密猟がますます組織された犯罪集団によるものであることを示している。南アフリカの勇敢なレンジャーたちは、サイを守るために、現場でできることをすべてやっており、もはやサイの違法取引を止めることができるのは協調した国際的な取り組みだけである。その中には、南アフリカが野生生物の違法取引の取り締まりをさらに拡大させること、ベトナムがサイの角を含む野生由来の製品の違法な使用に歯止めをかける施策を緊急に講じることなどが含まれる」とWWFの野生生物の違法取引対策プログラム(Wildlife Crime Initiative)の責任者であるエリザベス・マクレランは述べる。
南アフリカのサイの大半が生息するクルーガー国立公園は、依然として密猟の中心地となっており、2014年には827頭もが同国立公園内で殺された。これは南アフリカ全土におけるサイの密猟のほぼ3分の2を占める。アフリカのサイの80%以上にあたるおよそ20,000頭が同国に生息していることを考えると、これは憂慮すべき事態である。
南アフリカ政府が同時に発表したところでは、2014年には、同国のレンジャーの献身的な働きがあって、386件のサイ関連の犯罪が摘発された。しかし、法執行の強化だけでは対策は十分ではない。
「野生生物の違法取引を撲滅する世界的機運が高まっているが、今回の記録的なサイの密猟頭数は、よりいっそうの対策がいかに緊急に求められているかを示すものである。2015年には、サイの保護が最大の効果をあげるように、野生生物の違法取引を戦略的に防止するため、引き続き力をあわせていく必要がある」とWWF南アフリカのサイ保護プログラム・マネージャーであるジョー・ショーは語る。
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