「世界の動物たちが自撮り!?」 カメラトラップが捉えた、知られざる野生動物の姿


記者発表資料 2015年8月26日

近年、海外を中心に話題の「セルフィー(自撮り)」ですが、広い地球を見渡してみると、人間だけでなく、なんと野生動物たちも自撮りに挑戦!? と思いきや、これらは、野生動物の調査のために設置された「カメラトラップ」が捉えた動物たちの姿。

写っているのは、東南アジアの奥深い森に生息し、目で見る機会のほとんどない、謎につつまれた野生動物たち。そんな彼らの生態を調査し、保護していく活動の現場では、動くものが横切るとセンサーが反応して自動的にシャッターを切る自動撮影カメラ、通称「カメラトラップ」が用いられているのです。

時たま、シャッターの音やフラッシュの光によって、動物たちがカメラに気づくことも。そんな興味津々な「カメラ目線」の動物たちの姿をご紹介します。

コレハ、ナンダロウ?ブタオザルが興味津々の様子。(撮影地:スマトラ)

スマトラ島にのみ生息するスマトラトラ。10年で500頭以上が密猟の犠牲になりました。現在の生息数は400頭ほどと言われています。(撮影地:スマトラ)

画面の奥でムシャムシャと食事中のジャワサイの親子。ところが突如、カメラに体当たり!?カメラを壊してしまいます。このジャワサイ、推定個体数がわずか40~60頭といわれ、世界で最も絶滅の危機が高い大型哺乳類とされています。(撮影地:インドネシア)Youtube動画はこちら

カメラの前でのんびりくつろぐアムールヒョウの貴重な姿。ヒョウの亜種アムールヒョウの推定個体数は、世界でわずか80頭ほど。その多くはカメラトラップによる画像で個体識別されています。(撮影地:ロシア)Youtube動画はこちら

目玉だらけ!?のこの写真に写っているのは鳥の尾羽。セイランというキジ科の鳥の一種で、Argusianus argusという学名(ラテン語名)のargus(アルゴス)とは、ギリシャ神話に出てくる「100の眼を持つ巨人」だそう。どうやら見事な尾羽を飾る、たくさんの目玉模様から付けられた名前のようです。(撮影地:スマトラ)

首長竜あらわる!?進行方向は向かって左。2頭のイタチのようです。(撮影地:スマトラ)

時には・・・

そんなカメラのレンズには、時として森や野生動物を脅かす危機が収められることも。こちらは密猟者の姿を捉えた一枚。

密猟や生息地の破壊といった脅威から彼らを救えなければ、これら動物たちの写真が、彼らの種全体にとって"最後の自撮り"になってしまうかもしれません。

人が直接見ることのできなかった、野生の世界の一端をつまびらかにすることで、その生態や危機を示してくれるカメラトラップ。それは、野生動物保護の現場でも、力強いパートナーとなっています。

カメラトラップが捉えたその他の野生動物たちの"自撮り"写真や、詳しい内容については、下記特設サイトをご覧ください。


カメラトラップが捉えたインドネシアの動物たちをテーマに、上野動物園でセミナーイベント+早朝動物園特別ツアーを開催

9月27日(日)に、恩賜上野動物園とWWFジャパンの共催で『サンデー!モーニングZOO』を開催します。上野動物園で飼育されているインドネシアの動物を、動物園スタッフと一緒に観察するとともに、野生で暮らす彼らの姿をカメラトラップの映像等を通してご紹介します。早朝、活発に活動する動物たちを観察するため、特別に通常の動物園開園の30分前に上野動物園に入園します!

【サンデー!モーニングZOO概要】

9:00~ <インドネシアの動物特別ツアー>2時間ほど上野動物園スタッフと共に園内を観察。スマトラトラ・ベンガルヤマネコ・マメジカ・スローロリス・マレーグマ・アジアゾウといったインドネシアに生息する動物を中心に、動物たちの話を交えた観察ツアー実施

11:00~ <セミナー:カメラトラップが捉えたインドネシアの森と自然>インドネシアに暮らす彼ら動物たちの野生の姿を、カメラトラップの映像・写真を交えてご紹介します。また、私たち日本人の暮らしと密接に関わるインドネシアの森の様子を、環境保全の最前線に立つWWFスタッフがお伝えします。12時終了予定。

上記、『サンデー!モーニングZOO』は事前予約で、30名限定イベントとなっています。詳しくはこちらをご覧ください

  • ※イベント当日のご取材受付のご案内を配信する予定でしたが、都合により取りやめとなりました。申し訳ございませんが、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。

この件に関するお問合せ

WWFジャパン広報室 Tel: 03-3769-1714 / press@wwf.or.jp

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