歴史に残るトラサミット さらなる支援確保を計画し閉幕
2010/11/24
※2023 年 6 月 26 日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
Media statement 2010年11月24日
【ロシア、サンクトペテルブルク:仮訳】歴史に残る世界トラ保護会議国際(International Tiger Conservation Forum)が11月24日閉幕した。今回の会議では、参加各国が「世界トラ回復プログラム(Global Tiger Recovery Programme)」を承認し、また資金支援の選択肢を議論するために不可欠な計画も策定され、野生のトラの個体数を倍増させる新たな試みが開始されることになった。
サミットの最終日に、各国の代表者たちは、「世界トラ回復プログラム」の資金拠出方法と進捗確認方法への最終的な合意に至るために、短い議論のなかで2011年の会議日程を決めた。これは11月23日に、集まったトラの生息する国々を含む首脳陣により、「世界トラ回復プログラム」と「首脳宣言(Leader’s Declaration)」が承認された後に行われた。
「今回のサミットにより、絶滅の危機に瀕する野生のトラの減少傾向を、直ちに逆転するためのプラットフォーム形成に必要な、政府による支援が約束された。これらの政府が活動を前進させ、この政治的熱意と集中を維持する必要がある。トラの危機的状況は、待ったなしである」とWWFトラ保護プログラム・リーダーのマイク・バルツァー(Michael Baltzer)は言う。
トラの生息する13の国々は、「世界トラ回復プログラム」へのさらなる資金確保のため、今後6ヶ月の間に会合を開き、7月には長期的な資金計画を完成させる。そして2011年12月に再び会合を持ち、トラ保護のための12年計画の進行状況を見ることになっている。
トラサミットで、WWFは今後5年間のトラ保護活動に5000万USドルを用意することを約束し、8500万ドルまで増加させる目標を設定している。また、トラ保護のための政府公約を支援する計画も発表した。
ロシアのウラジミール・プーチン首相が主催するこの会議で、23日、出席した政府は、「世界トラ回復プログラム」として知られる計画の新規活動資金のうち、1億2700万USドルの調達を示し、この1年間に及ぶ政治プロセスを締めくくった。加えてこの新規資金には、世界銀行からのいくつかのトラ生息国に対する巨額の融資と、地球環境ファシリティ(GEF)からの数百万ドルの助成が決まっている。
バングラディシュ、中国、ラオス、ネパールからも首脳陣がサミットに出席した。
「世界トラ回復プログラム」は、トラ生息国によって、1年以上を費やし考案された。数十年にわたる密猟や棲家である森林の破壊から、トラを回復させる包括的な行動計画が盛り込まれている。
世界銀行や地球環境ファシリティ(GEF)、WWFを含む他のトラ保護活動のパートナーが参加する「グローバル・タイガー・イニシアチブ(Global Tiger Initiative)」の支援を受けて準備された、この回復プログラムの初期段階に必要な資金の大部分は、トラ生息国自身によって準備されている。しかし、国際社会からさらに3億5000万USドルが必要である。