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2021年版 夏休み!自由研究や読書感想文に役立つ、親子で読みたいオススメの本

WWFジャパンが親子で読みたいオススメの本をご紹介します。地球の自然環境のことを、もっと知りたい!と思ったら、ぜひ図書館や本屋さんで、生きものや自然に関わる本を探してみてください。自然の世界は、驚くような不思議がいっぱい!きっと、自然のことが好きになり、大切にしたいという気持ちが強くなりますよ。ぜひ、夏休みの自由研究や読書感想文にもお役立てください。


本のカテゴリー

自然を知る本

『地球温暖化を解決したいーエネルギーをどう選ぶ?』

『地球温暖化を解決したい』
 

 

小西雅子著
岩波ジュニアスタートブックス 2021年3月発行

猛暑や大洪水、干ばつ、海面上昇など深刻な影響を引き起こす地球温暖化。その温暖化を解決するカギは実はエネルギーの選び方にあります。なぜなら日本では大気を温める温室効果ガスの9割がエネルギーから来る二酸化炭素(CO2)だからです。この本と一緒に、どんなエネルギーを選んでいくか、考えていきましょう!

『めぐみの森』

『めぐみの森』
 

 

藤原幸一 写真・文
新日本出版社 2019年発行

深い森とともに生きてきた東南アジアの人々は、暮らしていくために必要なものをすべて、森から得てきました。そして、何が食べられるものなのか、どの植物から薬がとれるのかを、人間に教えてくれたのは、野生の動物たちです。この本は、森があって、野生動物がいてはじめて、人間も豊かに生きられることを教えてくれます。そして、森と人との関係が今どうなっているのかを、静かに問いかけてもくるのです。

『生きものとつながる石ころ探検』

『生きものとつながる石ころ探検』
 

 

盛口 満 文・絵
少年写真新聞社 2018年発行

どんなものも、じっくり眺めてみれば、いろいろなことが見えてくる。そんな気持ちにさせてくれる本です。誰もが見過ごしてしまいがちな「石ころ」に注目し、とにかく集めて並べて、スケッチする! 自然観察が大得意なゲッチョ先生こと盛口満さんの集中力と観察力には、終始、驚かされっぱなしですが、この本に紹介されている石のひとつでもふたつでも、見つけに行ってみたくなるから不思議です。

『街なかの地衣類ハンドブック』

『街なかの地衣類ハンドブック』
 

 

大村嘉人 著
文一総合出版 2016年発行

地衣類(ちいるい)という生きものの名前を、聞いたことがあるでしょうか。地衣類とは、菌類と藻類が、あたかもひとつの生きもののように合体して暮らしている、とても不思議な生きものです。そしてなんと、あなたの家の塀にも、すんでいる可能性が高いのです。このハンドブックを片手に、家のまわりや近所の公園を歩いてみてください。いつでもどこでも、地衣類の存在に気付かずにはいられなくなるでしょう。

『ようこそ!花のレストラン』

『ようこそ!花のレストラン』
 

 

多田多恵子 写真・文
少年写真新聞社 2017年発行

美しい色や、甘い香りで虫たちを誘う花。蜜や花粉を提供することで、虫に繁殖を助けてもらっていることは、誰でも知っています。けれども、花の形や大きさ、色や香りが、さまざまに違っているのはなぜなのでしょうか。実はこれ、「こんな虫に来てほしい」という花からの意思表示でもあるのです。花と虫が知恵比べをしながら、共に進化してきた歴史が垣間見える、興味のつきない一冊です。

『土をつくる生きものたち』

『土をつくる生きものたち』
 

 

谷本雄治 文
盛口満 絵
岩崎書店 2005年10月発行

地面をおおっている落ち葉の下の様子はどのようになっているのでしょうか。のぞいてみると、そこには小さな生きもの、もっともっと小さな微生物などが活動していました。私たちがよく知っているミミズやカブトムシから、初めて目にするようなダニの仲間まで、土の中はいろいろな種類の生きものであふれています。詳しい絵とていねいな解説で紹介されているこの本を見ていると、自然の中にいろいろな生物がいることの大切さがわかります。

『あなたの暮らしが世界を変える 持続可能な未来がわかる絵本』

『あなたの暮らしが世界を変える 持続可能な未来がわかる絵本』
 

 

阿部治・野田研一 著 監修/浦本典子 
山と溪谷社 2007年9月発行

「持続可能な未来」とは、限りある資源を維持しながら、人類も発展し続けることができる状態のこと。私たちが持続可能な資源の使い方をしてこなかったことが、いま地球が抱えている環境破壊や貧困などを引き起こしています。この本ではそうした問題を、観光・ジェンダー・人口・買い物など11の項目に分類して紹介。これらの社会問題が自分とどうつながっているかを知り、何ができるのかを考えることで、持続可能な未来へ第一歩を踏み出すことができる一冊です。

自然に学ぶくらし〈3〉自然に学ぶこれからのくらし

自然に学ぶくらし〈3〉自然に学ぶこれからのくらし
 

 

石田秀輝 監修
さえら書房 2017年発行

沖縄県石垣島白保の皆さんのサンゴ礁とのかかわりや保全の取組が、写真と文章で紹介されています。NPO法人夏花とWWFジャパンが、写真提供と取材に協力しました。大切な自然を未来に残していく暮らし方のヒントとして紹介されています。
学校の図書室や公立の図書館に配架することを目的に出版された書籍ですので、小学校の図書室や公立図書館に行かれる機会がありましたら、ぜひ手に取って、ページをめくってみてください。

『人間はどこから来たのか 地球環境と人間の歴史』

『人間はどこから来たのか 地球環境と人間の歴史』
 

 

森戸潔 著
リサイクル文化社 星雲社 2005年8月発行

誰でも一度は不思議に思う、星の誕生。そして、生命の出現、進化、歴史…その移り変わりを分かりやすく書いた一冊です。環境学、地学、生物学など、さまざまな視点を盛り込みながら、現在に至る長い地球の変化を、ベテランの絵本編集者が、イラストをまじえて紹介します。小学校高学年以上が対象ですが、大人の方が読んでも、充分に楽しめ、また勉強になる本です。

『地球をささえる熱帯雨林〈全6巻〉』

 

 

エドワード・パーカー 著 鈴木出版編集部 訳
WWFジャパン日本語版監修
鈴木出版 2003年4月発行

地上でもっとも生物多様性が豊かな熱帯雨林。そこは数多くの野生生物が生きている場所です。また、熱帯雨林は動植物ばかりでなく、私たち人間にとっても、なくてはならない自然環境です。この本は、熱帯雨林を「植物」「ほ乳類」「鳥類」「爬虫類・両生類」「昆虫・クモ」「生きる人々」という六つのテーマごとにまとめました。熱帯雨林に生きる驚くべき動植物を紹介すると共に、そこに暮らす人々、熱帯雨林で起こっている問題、そしてそれに対する取り組みなど、熱帯雨林を取り巻くさまざまな環境について、幅広く紹介します。小学校高学年から中学生の方におすすめです。

『森に生きる』

『森に生きる』
 

 

立松和平 著 
江本守男・高野康男ほか 写真
講談社 1993年6月発行

自然保護活動に関心をもち、積極的な文筆活動を展開している作家・立松和平さんによる児童向けノンフィクションです。栃木県日光の霧降高原の美しい風景写真を背景に、シカの農林業被害や密猟、森林伐採などの問題を解説しています。この森を開拓したある男性は、やがて、本当の自然との調和とは何かを考え、密猟者の罠からシカを助け始めます。ある日、雪山で弱っていた子鹿を助けたところ、元気になったシカはやがて…。心温まるエピソードを通じ、いま日本の森林で起きている過酷な現実への理解を深めることができます。

『地球温暖化は解決できるのか~パリ協定から未来へ』

『地球温暖化は解決できるのか~パリ協定から未来へ』
 

 

小西雅子 著
岩波書店  2016年7月発行

複雑化している地球温暖化とエネルギーを巡る全体像を、一冊で「わかった!」という気分になれる、WWFジャパン小西雅子による本。「地球温暖化の科学」から、「対策を巡る国際交渉」、「日本の温暖化対策とエネルギー政策」、「あなたに何ができるのか?」という4章で構成されており、無理なく、温暖化とエネルギーをめぐる全体像が見通せるようになっています。ぜひこの本をお手に取って、温暖化について、そして「パリ協定」を知ってみてください。

『すごい空の見つけ方2』

『すごい空の見つけ方2』
 

 

武田康男 写真・文
草思社 2012年2月発行

空を見上げるのは好きですか?この本は美しい空の写真を解説と共に見せてくれます。特に興味深いのが、私たち人間も空の姿を変化させていることに気づけるところ。たとえば飛行機。飛行機雲はなじみ深いですが、猛暑の影響で空中が飛行機雲だらけになったり、飛行機雲が成長して幻日(虹色に輝く雲)になった写真。高いビルがあるからこそ分かりやすくなった雲の高さや、山の夜明けのピンク色に輝く雲海など、心洗われる写真も豊富。知的に心遊ばせたい方にお勧めです!

『つばめのハティハティ』

『つばめのハティハティ』
 

 

寒竹孝子 文  箕輪義隆 絵
アリス館 2013年発行

ツバメは、春から秋までを日本で過ごす夏鳥です。8月の半ばごろには日本を離れ、東南アジアへ渡っていきます。この絵本は、ツバメたちがその南の国を飛び立って、日本へ「里帰り」するところから始まります。海を越えて続く長い旅、そして日本での子育てのこと、絵本でじっくり知ることができそうです。

『おじいちゃんは水のにおいがした』

『おじいちゃんは水のにおいがした』

今森光彦/著
偕成社 2006年5月発行

この本は、滋賀県の琵琶(びわ)湖に暮らすおじいさんのお話です。琵琶湖は、約400万年前に誕生した、世界の中でも古い湖のひとつです。この湖のほとりに住む人や、たくさんの野生の生きものたちが、琵琶湖のめぐみを受けながら生きてきました。四季折々に移り変わる風景や、琵琶湖を大切にしながら水と共に生きるおじいさんの生活が描かれています。行ったことはないけれど妙になつかしく、うらやましいほど自然にとけこんだ人々の生活が、美しい写真と文章でつづられています。

「自然を知る」関連情報

WWFジャパンのWEBサイト内でもいろいろな情報を発信しています。大人に向けて書かれた内容なので、難しいかもしれませんが、ぜひ、読んでみてください。

 

動物の本

『仕事ファイル11 動物の仕事』

『仕事ファイル11 動物の仕事』
 

 

小峰書店 2018年4月発行

将来なりたい職業は決まっていますか?動物が大好きで、動物と関わる仕事がしたいな、と思っている人にお勧めの本です。動物園の飼育員や獣医師、盲導犬訓練士、動物保護団体の職員、そして、WWFジャパンのスタッフなどが紹介されています。センパイたちはどんな仕事をして、やりがいを持って働いているのか、ぜひ参考にしてみてください。

『上野の山はパンダ日和』

『上野の山はパンダ日和』
 

 

佐川義明 著
東邦出版 2007年9月発行

動物が好きな人なら、誰でも一度は夢見る職業のひとつが、動物園の飼育員ではないでしょうか。しかも、それがパンダの担当とくれば憧れもひとしおです。パンダに明けパンダに暮れる毎日を、現在までのところ日本で最も長く経験したのが、この本の著者である佐川義明さん。この本では、23年もの間、上野動物園の飼育係としてパンダの“お父さん”を勤めた佐川さんが、パンダ飼育の舞台裏を語っています。パンダの好むエサの選び方、お気に入りの遊び道具や鳴き声の様子といった日常の姿から、大勢の人の努力による人工繁殖の過程にいたるまで、試行錯誤の連続の中で徐々に培われてきたパンダ飼育の経験が描かれています。日本のパンダ飼育の歴史書ともいえる一冊です。

『オランウータンってどんな「ヒト」?』

『オランウータンってどんな「ヒト」?』
 

 

久世濃子 著
朝日学生新聞社 2013年12月発行

東南アジアのスマトラ島とボルネオ島の熱帯雨林にくらすオランウータン。森の中で、果物や若葉、木の皮、花などを食べてくらしています。オランウータンはすみかである森が減ったり、ぺットとして売られたりして、数が減っています。こども向けに書かれていますが、大人が読んでも興味深い内容になっています。どうすればオランウータンを守れるのでしょうか?本の終わりの方には、WWFのことも出てきます。

『しろくまのこえ』

 

 

伊藤年一 著
幻冬舎エデュケーション 2008年9月発行

北極からシロクマがいなくなる!絶滅の危機にあるのはなぜ?知られていなかった本当のしろくまの話です。ホッキョクグマの生態を紹介していく中で、地球温暖化がもたらす生態系の破壊の現実を分かりやすく伝えます。たくさんの写真を使った絵本仕立て。説明のページには、上段にこども向けの文章を、下段にはさらに詳しい解説が入っており、親子でも楽しめます。動物チャンピオンの称号を持つ伊藤年一が手がけ、イギリスのフォトエージェントALAMY社、WWFの推薦による、丸ごとホッキョクグマの一冊です。

『二十歳になった ジュゴンのセレナ』

 

 

倉沢栄一 写真・イラスト・文
徳間書店 2007年7月発行

三重県の鳥羽水族館で暮らすジュゴンの「セレナ」は、1986年にフィリピン沖で母親からはぐれて泳いでいるところを保護され、フィリピン政府から鳥羽水族館へと贈られました。ジュゴンの飼育例は世界的にも少なく、しかもそれが赤ちゃんとくれば、無事に育てるのはとても大変です。しかし、飼育スタッフの労に応え、今やセレナは鳥羽水族館を代表する人気者に成長。2007年、無事に20歳を迎えることができました。長年、野生のジュゴンが絶滅の危機にあることに胸を痛め、WWFのジュゴン保護活動にもご協力を頂いている写真家・倉沢栄一さんが、そんなセレナの日常を目いっぱい撮影しました。水槽の中のお気に入りの場所、好きな泳ぎ方、仲良しのアオウミガメと遊ぶ姿…。ページをめくるたび、セレナの愛らしさに思わずにんまり。いやし効果抜群の写真絵本です!

『ぼくゴリラ』

『ぼくゴリラ』
 

 

伊藤祐朔 著
築地書館 2004年10月発行

ゴリラの生態が分かりやすく紹介された本です。写真には、ゴリラの表情が生き生きと映し出されており、ゴリラが語っているような口語調で書かれた文章は、ゴリラの生活に親しみを持たせてくれます。豊富な写真と濃い内容であるにも関わらず、自然にゴリラの世界へと誘ってくれる内容は、子どもはもちろん、大人の方にも楽しんでいただけます。また、人間の生活とゴリラの生存環境がどう関わっているかということについても教えてくれます。ルワンダでの内戦の時には、戦火に追われた多くの難民が、ゴリラのすむ森へ入り込みました。やがて生活に困った人々は、森を切り開き、畑を作りました。そしてそのために、ゴリラは生存の難しい、さらなる高地へ追いやられることになったのです。また、戦争のときには、ゴリラを食用の肉にするための狩りも行なわれました。人間と動物は、どう共存していけば良いのか。決して、すぐに解決できる問題ではありませんが、この本が語っているゴリラたちの本当の姿、「怪獣」や「猛獣」ではなく、家族で生活をし、平和を好む草食動物であることを正しく知ることは、その最初のステップと言えるかもしれません。親子で読んでいただきたい一冊です。

『人はクマと友だちになれるか?』

 

 

太田京子 著
岩崎書店 2004年7月

日本に生息するクマには、北海道のヒグマと、本州、四国、九州にすむツキノワグマがいます。秋になると、日本のあちこちでツキノワグマの出没が大きなニュースになります。原因はいろいろありますが、その一つに人が出すゴミがあります。生活から出るゴミや観光地のゴミが、森にすんでいたクマをおびき寄せてしまい、人間に近づくきっかけを作ってしまいます。その結果、クマはどうなってしまうのでしょうか?また、私たちに出来ることは? この本には、長野県・軽井沢に生息するツキノワグマと、ツキノワグマの調査や保護管理に、日々頑張っている人々の様子が書かれています。

『オランウータンに森を返す日』

『オランウータンに森を返す日』
 

 

川端裕人 著
旺文社 2000年4月発行

密輸されたオランウータンがインドネシアへ返還されるまでを、意欲的に取り組んだ取材を基にまとめたノンフィクションです。「幼いオランウータンがかわいいのは事実ですわ。でも、それだけじゃあかんのです」。保護されたオランウータンの世話をしていた獣医さんからは、そんな重い一言も聞かれます。人間に野生の動物を飼うことが果たしてできるのでしょうか?彼らを生息地に返すことや、その環境を守ることの意味とは何なのかを、深く考えさせられる一冊です。

『月の輪熊は山へ帰った!』

『月の輪熊は山へ帰った!』
 

 

米田一彦 著
大日本図書 1998年9月

若者が去り、高齢者ばかりが残された、西中国地方の過疎の村。手入れの行き届かなくなった田畑には、食物を求めるクマの姿が頻繁に見られるようになりました。捕らえられ、射殺されるクマの姿に心を痛めた人々は、秋田から移住してきたクマの専門家である米田さんとともに、クマを山に戻す「奥山放獣」に取組み始めます。クマの影におびえて暮らす住民、クマが死んでゆく姿を目の前にして苦しむ駆除担当者…。クマ問題に直面する人々の思いと立場を、小学生にも読める簡単な文体で見事に描写したノンフィクションです。

『イルカのKちゃん』

『イルカのKちゃん』
 

 

大島良子 著
教育出版 2004年6月発行

ひろい海で、お母さんイルカとくらしていた「イルカのKちゃん」。Kちゃんは得意の泳ぎでタコをつかまえようとしたり、海藻キャッチボールで仲良しの男の子と遊んだり、自由に生きていました。そんなKちゃんに事故がおきました。原因は人間によるものです。様子を見ていた男の子も、何とかしたいけれど、どうすることもできない、辛い気持ちでいっぱいです。Kちゃんはどうなってしまうのでしょうか。そして、私たちは何ができるのでしょうか。

『しっぽのはたらき』

『しっぽのはたらき』
 

 

川田健 文 薮内正幸 絵 今泉吉典 監修
福音館書店 1972年発行

しっぽをもつ動物はたくさんいます。長いしっぽもあれば、短いしっぽもあります。太いしっぽもあれば、細いしっぽもあります。しっぽは何かの役に立っているのでしょうか? 動物がしっぽをどんな風に使っているのか教えてくれるのが、この絵本です。美しい絵を見ながら、しっぽのはたらきを学ぶことができます。

『ヤマネにあえた日 小さな 国の天然記念物』

 

 

西村 豊 著
光村推古書院 2011年8月発行

体長約10センチ、重さ約20~30グラム。
この小さな動物・ヤマネは、日本の森だけにすむ天然記念物です。
ヤマネに魅せられ、30年以上もその姿を追い続けた著者の手によるこの写真集には、春夏秋冬、あらゆる場面で撮影されたヤマネの姿が収められています。
厳しい大自然の中で、そして、時には人の生活圏の端っこで。
愛らしくもたくましく生きる彼らの息づかいを感じ取ると同時に、自然や野生生物との付き合い方について再考させられる一冊です。

月刊かがくのとも 2011年6月号 『おいだらやまの くま』

 

 

米田一彦 文 田中豊美 絵
福音館書店 2011年6月発行

日本のツキノワグマの調査・保護活動の第一人者である米田一彦さんと、動物画家の第一人者である田中豊美さんがタッグを組んだ、なんとも贅沢な絵本が完成しました。
山の奥深くで生を営むクマたちの春夏秋冬が、流れるようなリズムのテキストと、目を見張るような美しいイラストで表現されています。
豊かな山はクマが育て、そしてクマもまた山の恵みを受けながら生きていることを、幼い子どもすぐに読み取り、その繋がりの大切さに気づくことでしょう。

『写真絵本 がんばれ野生のいのちシリーズ(1) ヤイロチョウの子そだて』

『写真絵本 がんばれ野生のいのちシリーズ(1) ヤイロチョウの子そだて』
 

 

岡田光男 写真 たきたろう 文
生態系トラスト協会 2006年12月発行

ヤイロチョウ、これは鳥の名前です。どうして、こんな名前が付けられたのでしょうか? どこかの国の方言? それとも、8つの羽の色を持つ鳥という意味? 実際に、ヤイロチョウの羽の色を数えてみると、クリーム色、黒、赤、茶、水色、緑色…と、たくさんの色が見られます。とてもきれいなヤイロチョウ。この鳥は、日本や中国、韓国などにすんでいて、北と南を行ったり来たり旅をして暮らしています。日本の高知県では、民話に出てきたりして愛されている鳥ですが、その姿を見た人は少なく、「幻の鳥」「森の妖精」などと呼ばれているそうです。ぜひ、この写真絵本でヤイロチョウに会ってみてくださいね。

『くちばし どれが一番りっぱ?』

『くちばし どれが一番りっぱ?』
 

 

ビアンキ 文 田中友子 訳 薮内正幸 絵
福音館書店 2006年3月発行

小さなくちばしや大きく長いくちばし、曲がったくちばしや先がとがったくちばし…鳥は、種類によっていろいろな形のくちばしをしています。どうして、おなじ形ではいけないのでしょうか?それにはいろいろな理由があるようです。人間が食べ物によって、箸、ナイフやフォーク、スプーンを使い分けるように、鳥のくちばしも食べるものに合わせ、食べやすいようになっているのですね。
この絵本には、いろいろなくちばしを持った鳥が登場します。そして、みんな自分のくちばしを自慢します。聞き役のヒタキはうらやましそうに、感心するばかりです。さて、一番立派なくちばしを持っているのはどの鳥でしょう?驚きの結末と、美しい絵が印象的です。

身近に体験!日本の野生動物(全6巻)

身近に体験!日本の野生動物
 

 

熊谷さとし 文・絵・写真
偕成社  2006年3月発行

名前はよく知っているけど、その生態については意外に知られていないタヌキ・キツネ・ムササビなどの里山にくらす動物たちが、ふだんどのような暮らしをしているのか、何を食べてどんなところにすんでいるのかなど、絵や写真を使って詳しくわかりやすく解説しています。
 (1)動物がすむ里山とは? (2)タヌキを調べよう (3)ムササビを調べよう (4)キツネを調べよう (5)コウモリを調べよう (6)動物の未来を考える、という6巻に分かれています。

『ドキュメント地球のなかまたち 渡りをするチョウ アサギマダラのふしぎ』

『ドキュメント地球のなかまたち 渡りをするチョウ アサギマダラのふしぎ』
 

 

佐藤英治 写真・文
新日本出版社 2005年6月発行

“渡り”とは、季節にあわせて野生生物が長い距離を旅することを言います。渡りをする生きものとは、渡り鳥ばかりではありません。私たちの身近にいるチョウの中にも、海をこえて長旅をするものがいるのです。そのひとつ、アサギマダラは、2,000キロもの距離を飛ぶことがわかっています。ふわりふわりと、日本の空を舞うアサギマダラの姿を、動物写真家の佐藤さんが美しい写真におさめました。アサギマダラの不思議と魅力がいっぱいの一冊です。

ふしぎ発見シリーズ①~⑤ どうぶつの「○○」

ふしぎ発見シリーズ①~⑤ どうぶつの「○○」
 

 

わしおとしこ 構成・文 / 中川志郎 監修
アリス館 1994年~1996年発行

さまざまな動物たちの、体の一部分に注目してみると、その動物の暮らし方や、生き抜くために身につけてきた工夫が見えてきます。子どもにもわかるように書かれたやさしい文章はリズミカルで、すいすい読み進められますが、情報量もたっぷり。「どうぶつの目」、「はな」、「口」、「耳」、そして「おっぱい」の5冊シリーズ。子どもと一緒に読んで、親子で動物博士になってください。

「動物」関連情報

WWFジャパンのWEBサイト内でもいろいろな情報を発信しています。大人に向けて書かれた内容なので、難しいかもしれませんが、ぜひ、読んでみてください。

 

野外で役立つ本

『はじめて見たよ!セミのなぞ』

『はじめて見たよ!セミのなぞ』
 

 

新開 孝 写真・文
少年写真新聞社 2017年発行

セミは、夏を代表する昆虫のひとつで、日本全国にいろいろな種類が暮らしています。木の幹にとまって鳴いている姿や、ぬけがらはよく目にすることができますが、では、セミの卵は、どこに、どうやって産み落とされるのでしょうか? この本では、セミの産卵から成虫になるまで、そして、成虫になってからの暮らしなどをくわしく紹介しています。今年の夏は、近所の公園でセミの羽化が観察できるかも?

『日本カエル探検記』

 

 

関 慎太郎 写真・文
少年写真新聞社 2019年発行

日本のカエル全48種類が大集合。種類によって、さまざまな違いがあることがわかります。ジャンプが苦手なカエルもいれば、ほとんど一生を木の上で暮らすカエルもいたり。身近に見られるヒキガエルにも、おどろきの事実があります。おたまじゃくしからカエルになったばかりのときの大きさとは? カエルが暮らす環境の減少や、外来種のによる影響などの問題を考えるきっかけにもなる一冊です。

『図解 巣箱のつくり方かけ方』

『図解 巣箱のつくり方かけ方』
 

 

飯田智彦 著
創森社 2019年発行

森の中を歩いていて、鳥の巣箱を見かけたことはありませんか? どんな鳥が使っているのだろう?と想像すると、わくわくします。この本は、著者である飯田さんが30年以上にわたる自分の経験をもとに書かれたもので、鳥の巣箱に関する情報の宝庫です。実際に巣箱を作ってかけてみよう、と思っている人にとって役立つことはもちろん、鳥の種類によって、適した巣箱が違うこと、鳥たちにとって安心できる環境とはどういう条件なのか、また、巣箱をかけることの良し悪しについても、しっかりと語られています。

『フシギなさかな ヒメタツのひみつ』

『フシギなさかな ヒメタツのひみつ』
 

 

尾崎たまき 写真・文
新日本出版社 2019年発行

2017年10月に、タツノオトシゴの仲間の新種として記載された「ヒメタツ」。姿かたちも、子育てのしかたも、「生きものっておもしろい!」と思わずにはいられない魅力にあふれています。そして、本書の舞台となっているのが、熊本県の水俣の海です。かつて、深刻な水銀汚染が起き、多くの悲しみを背負った海が、生命と色彩を取り戻している姿に、胸を打たれます。

『米が育てたオオクワガタ』

 

 

山口進 写真・文
岩崎書店 2006年7月発行

オオクワガタは、見るからに強く向かうところ敵なしという姿・形をしています。すみかの雑木林の中を王様のようにいばって歩いているように見えますが、意外にも行動範囲は狭く、動き出す時間は他の生きものが寝静まった真夜中と、実際には用心深い生きもののようです。そんなオオクワガタのすみかに適した木は、人間の米作りと深い関係がありました。昔は、雑木林の木や落ち葉などを人間が利用していたため同時に手入れもしていましたが、今は生活が変わり利用されなくなりました。そうなると生えている植物の種類も変わるため、そこにすむ生きものも変化します。雑木林と、そこにすむ生きものの間の絶妙なバランスを教えてくれる一冊です。

『ぼく、だんごむし』

 

 

得田之久 文 / たかはしきよし 絵
福音館書店 2003年発行

指でちょんとつつくと、くるりと丸まるダンゴムシ。庭先や、道ばたなどにもいるので、子どもの頃に遊んだ記憶のある方も多いのではないでしょうか。それでも、彼らがどんな暮らしをしているのか、となると、知らないことばかり。道ばたでよく見かける理由は? 「昆虫」ではないって本当? 冬になったらどうなるの? やさしい色合いの切り絵が、たくさんの新しい発見へと案内してくれます。

『子どもとの自然観察スーパーガイド』

『子どもとの自然観察スーパーガイド』
 

 

日高哲二 著
築地書館 2001年2月発行

昔から、子どもたちは自然の中で仲間と遊びながら、知識や生きる知恵を学び、人間社会で生きるルールを身につけてきました。でも、身の回りから自然がどんどん無くなり、テレビやゲームで遊んで育つ子どもたちが増えてしまった今、自然の素晴らしさや美しさを感じ、学ぶチャンスは、目に見えて減ってしまっています。この本は、みんなで自然のいろんな表情や面白さを発見するためのガイドブック。いわば、野外でつかえる何でも図鑑です。観察と行動を通して、自然の楽しさ、奥深さを教えてくれます。

『海べのふしぎな生きものたち』

『海べのふしぎな生きものたち』
 

 

よしざきかずみ 写真 とりないけいこ 文
岩崎書店 2006年7月発行

地球の生き物の90%以上の種類は、海の中で暮らしています。海は、お魚や貝以外にも、タケノコのような形のウミヤナギ、泥の塊のようなアメフラシ、そしてクラゲなど、不思議な色や形をした生物たちでいっぱいです。深い海に潜らなくても、砂浜やひがたに行けば、潮の満ち引きで地面に取り残された生きものをたくさん見ることができます。この本には、海べにすむ生きものたちの写真がいっぱい。近くの海に持っていって、どんな生きものがいるか探してみてくださいね!

『ムシとあそぼう 海野和男のムシシシシ』

『ムシとあそぼう 海野和男のムシシシシ』
 

 

海野和男 写真・文
新日本出版社 2006年5月発行

昆虫写真家の海野和男さんが、いろいろな角度から虫を観察した昆虫の写真絵本です。マレーシアのジャングルで見られる不思議なカマキリ、また私たちの身の回りでよく見られるバッタやイモムシなどの虫がたくさん登場します。とても大接近して撮っているので、今にもこちらに飛んできたり、鳴き声も聞こえそうです。カマキリや蛾が威嚇して羽を広げた姿はとても強そうですし、その時に見える思いがけない模様や色にビックリさせられます。昆虫たちは、自然の中であの手この手で敵から逃げたり身を隠したりますが、その方法も見事だったり美しかったり、写真を見ているだけで楽しめます。

★このシリーズは、「(1)さがしてみよう」「(2)おおきくなると」「(3)さわってみよう」「(4)なにたべてるの」「(5)よくみてみよう」の5冊が発行されています。虫が大好きな人も、ちょっと苦手な人も、この本を見ると自然がとっても身近に感じられますよ!

『田んぼの学校 まなび編』

『田んぼの学校 まなび編』
 

 

湊 秋作 編著 トミタ・イチロー画
農山漁村文化協会 2002年8月発行

自然とふれあう機会が減っていく中、子どもたちにとって今、最も身近にある自然の一つが田んぼです。そこにはさまざまな生きものがすみ、表情は季節と共に移り変わってゆきます。越冬していたメダカが泳ぎ始める春、まかれた種は、晩春から初夏にかけて穂をつくり始め、アカトンボが卵を産みに来る秋には、収獲の喜びを与えてくれます。子供たちは命をつなぐ食べ物の恵み、そして農業作業を通して食べ物を慈しむ心を育み、心身ともに健康に育ってゆきます。心と体のゆりかごとしての田んぼ。「ヤマネ先生」こと湊秋作さんが、その魅力を解き明かします。

『クマノミとサンゴの海の魚たち』

『クマノミとサンゴの海の魚たち』
 

 

大方洋二 写真・文
岩崎書店 2007年7月発行

サンゴの海には、丸く形を変えるイソギンチャクや「そうじ」が得意なベラやエビなど、変わった生きものたちがすんでいます。海の生きものにとって、サンゴは食料やかくれがになる大切なもの。特にクマノミは、サンゴ礁に生息するイソギンチャクと共生しているのが特徴です。イソギンチャクの毒が外敵から身を守ってくれるかわりに、クマノミはイソギンチャクを食べにくる魚を追いはらったり、ふんの掃除をしたりするのです。ほかにも海底では、生きものたちが互いに支えあいながら生きています。これは、そんな生きものたちの姿が、水中写真家による鮮やかな写真とわかりやすいコメントで紹介されている写真絵本です。クマノミの、オスがメスになることもあるという驚きの生態や、「カクレ」クマノミの名前の由来など、ためになることも盛りだくさん。普段は見ることのできない神秘的なサンゴの海の世界を、まるで自分が海に潜っているかのように体験できる一冊です。

『空とぶメダカ』

『空とぶメダカ』
 

 

中村滝男著
ポプラ社
998円
発行年:1999年7月 79ページ サイズ:24
ISBN:4591060853


メダカの学名(ラテン語名)には、イネの学名と深いつながりがあります。メダカは、稲作と共にその生息地を広げていきました。里山に出かければ、必ずといって良いほど見かけられたメダカの姿。しかし、そのメダカが今、絶滅の危機にさらされています。その主な原因は、生息地の減少です。人間が自然との共存を忘れ、自分たちだけが住みやすい環境を作ってしまっているとしたら…。 里山に暮らす生き物のシンボルであるメダカを通し、残された自然環境の大切さを考え直す「きっかけ」となる一冊です。

『海辺の生き物ガイドブック』

『海辺の生き物ガイドブック』
 

 

倉沢栄一 著
TBSブリタニカ 2002年6月発行

海洋写真家の倉沢栄一さんが手がけた、新しい海のガイドブック。「海辺」というタイトルながら、海の自然を広い視野で捉えた、面白く勉強になる内容です。温帯の磯、磯から外洋、砂地、藻場、浜辺と干潟、寒流の海といった多角的な視点のもと、ヒトデからウミガメ、クジラまで、たくさんの「海の生き物」たちが登場します。ページを飾る生命の形態の多様さには、思わず目をうばわれますが、これこそ、多くの生き物がたどった進化の道筋そのもの。さまざまな海の生き物たちの秘密がいっぱい詰まった、読み物としても楽しめる一冊です。

自然スケッチ絵本館『は虫類のこと』

 

 

文 キャスリン・シル  絵 ジョン・シル
訳 原田佐和子
玉川大学出版部 2011年6発行

ヘビやトカゲ、カメやワニなど、全部で15点の色彩豊かなは虫類の絵を楽しむことができます。ひとつひとつの生きものの解説もついているので、興味をもったは虫類について、しっかり学習することができる絵本になっています。

WWF発行の冊子(PDF)

『おさかなハンドブック』

 

 

お店やスーパーに行けば、海の恵みである魚や貝がたくさん並んでいますが、もしかしたら将来、魚や貝が食べられなくなってしまうかもしれません。海で起こっていることを知り、いつまでもおいしく食べられるように親子で考えてみませんか?
『おさかなハンドブック』(PDF)のダウンロードはこちら

コパンダ絵本『植物油ってなーに?』

 

 

きっと、昨日食べたお菓子にも入っていた「植物油」。 この「植物油」って、なんの植物の油なんだろう? コパンダはママパンダに聞きますが、ママパンダには分かりません。 そんな親子パンダのもとへ、オランウータンが現れます。
『植物油ってなーに?』(PDF)のダウンロードはこちら

コパンダ絵本『木ってエコなの?』

 

 

コパンダがまわりを見渡すと、木でできたものがたくさんあることに気が付きました。 この木はどこからきているんだろう? コパンダはパンダパパにたずねますが、パンダパパにはわかりません。 そこにサイチョウが現れます。
『木ってエコなの?』(PDF)のダウンロードはこちら

WWFジャパン会報『地球のこと』の紹介

WWFジャパンでは、一般会員、ユース会員の皆さまに年4回の会報誌をお送りしています。国内外で取り組んでいるWWFの活動や、環境関連の情報、絶滅のおそれのある野生動物などについての記事を掲載しています。大人から子供まで、環境問題について知識のある人もない人も楽しみながら、今地球で起きていることを知っていただける内容になっております。

キッズ向けページの例「地球温暖化とトナカイ」と題したすごろく。「絶滅のおそれの高い動物」であるトナカイと地球温暖化の関係について遊びながら学ぶことができます。
 

入会案内とともに、会報のサンプル(PDF)がダウンロードできます。

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WWFの活動

人間が自然と調和して生きることができる未来を築くために、科学的な知見に基づき、4つの活動テーマを柱に活動をしています。

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