資料案内「諫早湾開門本当に大丈夫なの?」


九州・有明海の諫早湾干拓問題についてやさしく解説したパンフレット「諫早湾開門 本当に大丈夫なの?」が完成しました。諫早湾については、2010年12月15日に菅首相が水門開放を命じる福岡高裁の判決に対し、国として上告せず、水門を開放することを明らかにしています。諫早湾問題はどうなるのか。このパンフレットはその論点を整理した入門書としてお読みいただける内容です。

水門開放、そして有明海の再生を!

1980年代に始まった長崎県、諫早湾での大規模な干拓事業は、豊かな有明海の自然と、地域の漁業を損なう結果をもたらしました。
そして、1997年に潮受け堤防による湾閉め切りが強行された結果、日本最大級の渡り鳥の飛来地であった諫早湾干潟は消滅。
汚水溜めと化した調整池から排出される水は、諫早湾のみならず、有明海全体に悪影響を及ぼしています。

湾の閉め切り後10年以上にわたり、漁業者や市民団体によって、水門の長期開放による環境改善が強く望まれてきました。また、漁業者が事業者の国を告訴する裁判も続けられてきました。
佐賀地裁、および福岡高裁では、相次いで漁業者側が勝訴。両裁判書は、国に対し、長期の水門開放を命じる判決を下しています。

そして、2010年12月15日に菅直人首相は諫早湾の水門解放を福岡高裁による「諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門を命じる判決」に上告しないことを発表。事業の見直しと有明海の再生に向けて、新たな扉が開かれました。

諫早湾開門についての「入門書」

次のステップとしては、実際に政府が裁判所の命令通り、水門を長期にわたって開放して、有明海の再生に取り組むことが望まれます。しかし、そのための具体的な筋道は、まだ明確にされていません。

そこで、この問題に取り組んできた、有明海漁民・市民ネットワーク、よみがえれ!有明訴訟弁護団、よみがえれ!有明訴訟支援する会、ラムサール・ネットワーク日本、WWFジャパンは共同で、諫早湾開門の現時点での論点を整理したパンフレットを作成しました。

これは、特に現地・諫早の方々に理解していただくために制作したもので、会話形式で湾の「開門」について説明したものです。また、現地の方以外にも、この問題の入門書としてお読みいただける内容です。

パンフレットは、2011年4月13日から配布を開始、各団体では、今後の水門開放に向けた世論を支えてゆきたいと考えています。

20110413a.jpg

2010年12月、諫早湾干拓潮受け堤防の排水門の開門を命じる判決が確定しました。
開門は地元の農業や防災に影響はないのか、不安に思っている方もいらっしゃると思います。みなさんの心配や疑問に分かりやすくお答えします。

20110413c.jpg

諫早湾の閉め切られた堤防内(2004年撮影)

資料案内

諫早湾開門本当に大丈夫なの? PDF形式(1.6MB)

  • 製作:ラムサール・ネットワーク日本/よみがえれ!有明訴訟弁護団/よみがえれ!有明訴訟を支援する会/有明海漁民・市民ネットワーク
  • イラスト:松本悟
  • 発行:WWFジャパン 2011年4月

関連情報

2010年12月15日
5年間の水門開放を!諫早湾裁判で福岡高裁が判決

諫早湾関連情報

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP