地球温暖化対策基本法が骨抜きに?緊急集会を開催
2010/03/10
鳩山政権は現在、地球温暖化防止の基本方針を定める法律として「地球温暖化対策基本法」の案を検討しています。しかし、各種報道からの情報によれば、その中身は、民主党が2009年の総選挙で約束した温暖化対策からは後退するかもしれない状況にあります。危機感を抱いたWWFジャパンを含む環境NGOのグループは、2010年3月10日、議員会館で緊急集会を開催しました。
このままでは公約違反!?地球温暖化対策基本法案のゆくえ
緊急集会は、環境NGOが合同で実施しているMAKE the RULEキャンペーンの一環として開催されました。
2日前に開催が発表された、文字通り「緊急」のイベントであったにも関わらず、会場の会議室は参加者で溢れ、与野党の国会議員も多数参加していました。
集会では、MAKE the RULEキャンペーンを代表して、実行委員長であるマスコット"シロベエ"が、政府代表としてご参加いただいた田島一成環境副大臣、および福島瑞穂少子化・消費者担当大臣に、要請文を手渡しました。
その後、キャンペーン参加団体から、政府に対する要請文の内容について、説明しました。
この要請文は、現在の地球温暖化対策基本法案に関する議論について、4つの懸念を挙げています。
- 中長期目標の「25%削減」の条件づけを見直すこと
- 国内排出量取引制度の総量規制を明確にし、導入時期を明らかにすること
- 高い再生可能エネルギー目標を掲げ、全量の固定価格買取制度を導入すること
- 原子力の推進・利用を盛り込まないこと
詳しくは、要望書の本文をご覧ください。
「総量」か「原単位」か? 排出量取引制度をめぐって
この法案についての議論は、2009年12月頃から、政府内で始まりました。
しかし、環境省・経産省・外務省の間で意見が折り合わず、議論が紛糾。現在に至っています。
とりわけ、現在の大きな焦点となってきているのが、排出量取引制度の内容です。
排出量取引制度を導入する際に、「総量」方式を基本とするのか、それとも、「原単位」方式も認めるのか。この選択が論点となっています。
2つの方式を簡単に説明すると、次のようになります。
「総量」方式 | これは、企業などの排出者が、それぞれ排出している温室効果ガスの「総量」を下げることを目標にしたやり方です。これは、産業界が排出できる二酸化炭素の 量にリミット(キャップ)を設け、その目標レベルまで確実に排出量を減らすために、取引制度を利用する、スタンダードなやり方。排出量取引制度を温暖化防 止に活かす上で欠かせない、有効な方式です。 |
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「原単位」方式 | 一方、こちらは、総量ではなく、効率を重視した方式です。自動車にたとえるなら、「一台生産する時に排出されるCO2の量」を下げる方式で、製品1個当た りの排出量を100トンから90トンに減らす、というような目標を設定します。効率を上げるのは、確かに重要なことです。しかし、どれほど製品1個当たり の排出量を減らしたとしても、製品の生産量が増えれば、結果として、排出量は増えてしまいます。「原単位」方式の最大の問題点は、この「トータルでは排出 量が増えてしまう可能性」を認めてしまっている点。つまり、実際の温暖化防止に役立たない方式なのです。 |
民主党のマニフェストのゆくえは?
そもそも、民主党がマニフェストの中で約束していたのは、「キャップ&トレード型」、つまり「総量」削減を前提とした、排出量取引制度でした。
しかし、現在の議論の方向を見ると、排出量全体に「キャップ」がかからない、「原単位」方式に舵が切られ直そうとしています。
各種報道によれば政府内で、産業界・労働組合の意向を受けた経済産業省が「原単位」方式を推しており、国際的に「25%削減」を公約したことを重く見る外務省が「総量」方式を推す、という対立構造が生まれており、環境省はその間を取り持っている状況だとされています。
この議論のゆくえは、日本政府が国際社会に対し、温暖化問題にどれくらい真剣に取り組んでいくのかを示す上で、重要な意味を持っています。
そして、この排出量取引の扱いを含めた、法案の具体的な内容がどのようになるかで、今後の日本が温暖化対策のゆくえが、大きく左右されることは間違いありません。
この議論を大きな問題と見るWWFは、今回の緊急集会の開催に際し、温暖化防止を求める日本の環境団体として意見を述べたのみならず、WWFインターナショナルとしても見解を発表。日本政府に対し、実際の温暖化防止に貢献する法案の成立を、強く求めました。
地球温暖化対策基本法案に関する議論は、2010年3月11日の閣僚委員会、12日の閣議決定において結論が出される予定です。
関連資料
動画
▼ビデオニュース・ドットコムのサイト
こちらのサイトでは、集会の様子を映像でご覧いただけます。
緊急院内集会:「このままでは公約違反だ!地球温暖化対策基本法」
意見書 2010年3月5日
地球温暖化対策基本法案への意見書
WWFジャパンは、地球温暖化問題への対応を国の法体系の中に明確に位置 づけることは重要であると考えており、地球温暖化対策基本法設立へ向けての議論を歓迎します。しかし、現在行われている法案の議論に関しては、重大な懸念 があります。特に排出量取引制度については、原単位による排出枠設定ではなく、総量での排出枠が設定されなければなりません。
以下は、現在の法案議論に対する意見です。
「中長期的な目標」について
- 「25% 削減」の条件をより建設的な形にする:「25%削減」目標については、国際合意がなければ目標がなくなるような表現は避けるべきである。ましてや、国際合 意が無い場合に、国内削減目標と共にその実現のための政策も全て放棄するような表現が同法案に存在してはならない。そのような表現は、日本の非建設的な姿 勢を内外に印象付け、国際合意の成立可能性そのものを阻害しかねない。
- 「脱炭素化」を目指す:長期目標として、原則としては80%以上の削減を求め、最終的には排出量を(技術的に不可能な部分を除き)ゼロにすることを目指すことも言及すべき。
- カー ボン・バジェット概念を採用し、中長期にわたる排出削減のプロセスも明確にする:中長期の目標を基礎として、英国の気候変動法でも採用されているカーボ ン・バジェット(炭素予算)の概念を採択するべき。2020年や2050年という特定の年での目標はもちろん重要であるが、そうした「断面」だけに着目す るのではなく、2050年までの「期間」に、一体どれだけの温室効果ガス排出量が許される(削減が求められる)のかを量的に把握し、それをある種の予算と して扱って管理することが必要。今後講じる全ての政策・対策・施策は、炭素予算の収支を十分に考慮した上で、制度設計を行うものとする。そして、その予算 は、気候変動の最新の科学によって見直され、修正が行われるものとする。
「基本計画」について
- 基本計画の要件の追加:基本計画は、2050年長期目標達成へ向けての大きな方向性を示す計画と、2020年中期目標達成へ向けての具体的な政策・対策を示した詳細な計画の2種類から構成されるものとするべきである。
「基本的施策」について
- 導入年度の明示:いずれの制度も、可能な限り早期に導入することが望ましい。排出量取引制度は、2012年度からの導入(2013年の本格運用)とするべきである。
- 排 出量取引制度は原単位を基礎とするのではなくあくまで総量を対象とする:排出量取引が環境政策として意味を持つのは、確実な総量削減につながるからであ る。その大前提を崩すような原単位方式の採用は避け、あくまで総量での削減ができるような制度としなければならない。ただし、ベンチマーク方式の採用は問 題ない。
- ボトムアップ型ではなくトップダウン型のキャップ&トレード:現行の基本法案は、「個別の排出者の排出許容量」→「全体の排出 許容量」という順に決めるボトムアップ型の排出量取引になる可能性がある。むしろ、「全体の排出許容量」→「個別の排出者の排出許容量」という順に決める トップダウン型のキャップ&トレードを目指すべきである。そうでないと、1)「許容限度を定める方法」が排出者ごとの多種多様な事情に配慮しすぎた形で作 られ、結果として、最も重要な「全体としての」削減量の確保が犠牲にされる、2)「キャップ」とは本来「全体の排出許容量」を指すが、個別企業の削減目 標=キャップという誤った理解が助長され、制度に対する理解が妨げられる、といった危険性がある。
- 大規模排出者の直接排出を対象とす る:キャップ&トレードの対象は、主要な産業部門を含むものとし、特に大量に排出する電力部門をカバーできるよう直接排出を対象とすることを明記する。エ ネルギー・産業部門を含まないキャップ&トレードは、著しく環境十全性を損なう。また間接排出を対象とすると、排出削減の責任があいまいになる恐れがあ り、将来的に世界の排出量取引制度とリンクする際の整合性も難しくなる。間接排出に対しては、また別のインセンティブを与える制度を考慮することができる (後述)。
- 「日々の暮らしにかかわる取組」に省エネコンシェルジュを追加:家庭での排出量削減を促進する制度として、家庭での省エネを診断・助言するサービス(省エネコンシェルジュ)を制度として導入することを検討する(※注)。
- 業 務部門の間接排出量を対象とした排出量取引制度の導入の追加:東京都が実施している排出量取引制度や英国のCarbon Reduction Commitment 制度のように、業務部門の間接排出量に対して、通常の国内排出量取引制度とは別の排出量取引制度の導入を検討する(※注)。
- 建築基準法と連携した建築物・住宅への基準導入:新築の建築物・住宅および増改築の際に、省エネ等の基準を満たすことを義務付けるべき。
- 運輸部門に対する排出量取引制度適用の検討:運輸部門については、燃料の購入段階に制度を導入することで、通常の排出量取引制度とは違った形での排出量取引制度を導入する可能性を検討する(※注)。
※以上で述べた制度の詳しい内容については、WWFジャパンの『脱炭素社会へ向けたポリシーミックス提案』を参照されたい。 URL:/torihiki/
追加すべき事項
気候変動委員会(仮称)の設立
- カーボン・バジェットの維持および適応対策に関する科学的知見に基づいた助言を行う機関として、気候変動委員会を設立する。
- 同委員会は、自然科学、社会科学などにおいて優れた学識を有する者、及び気候変動を専門とする環境市民団体の代表者などの専門家から構成され、政府に対して、第三者的な立場から助言を行う。政府は、その助言を参考にしなければならない。
- 委員の任命に当たっては、十分な公平性と透明性を確保する。
- 同委員会は、毎年、カーボン・バジェットの維持とその達成のための政策提言、および適応対策に関する提言を含む報告書を国会に提出する。政府は、この報告書に提示された助言については応える義務が生じる。
要望書 2010年3月9日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
環境大臣/地球温暖化問題に関する閣僚委員会 事務局長 小沢鋭仁 様
国務大臣/社会民主党党首 福島みずほ 様
国務大臣/国民新党代表 亀井静香 様
MAKE the RULEキャンペーン 法案委員会による要望書
全 国の市民・NGOが参加するMAKE the RULEキャンペーンは、私たち一人一人に重要な課題である地球温暖化問題について、政府で検討されている「地球温暖化対策基本法案」の動向に強い関心を 持っています。この法律は、中長期にわたって持続可能な低炭素社会を目指していく上で、野心的な目標と、実効ある地球温暖化政策を裏付けする重要なもので あり、新たな時代に向けた政策の大転換を現政権に期待しているところです。
ところが、その内容が、私たちのよく見えないところで大きく後退し、マニフェストにも反するのではないかと大変憂慮しております。
本法案について私たちは、特に以下の4点について、ここに要望します。そして、公約違反をすることなく、25%削減を明確に法に掲げ、キャップ&トレードの制度の導入を担保する法律として仕上げ、決定することを求めます。
1.中長期目標の「25%削減」の条件づけを見直すこと
25% 削減目標について、「すべての主要国が温室効果ガスの排出量に関する意欲的な目標について合意をしたと認められる場合に設定される」という、国際合意がな ければ日本の目標も設定されないような条件付けはすべきではありません。これでは日本としての方針が明確にならず、社会に正しいシグナルを送ることができ ないばかりか、世界にも非建設的な姿勢を印象付け、国際合意の妨害になります。
2.国内排出量取引制度の総量規制を明確にし、導入時期を明らかにすること
「キャッ プ&トレード」の言葉のとおり、総量で上限枠を設定した取引制度とし、速やかな導入を明記すべきです。生産量当たり排出量のような「原単位」目標設定も認 めるような制度では、総量削減をコントロールできないどころか、「目標達成によって排出増加をもたらす」ことになりかねません。これでは旧政権時代の試行 的制度と変わらず、明らかに公約違反です。諸外国においても機能しなかった、世界から認められないような時代錯誤の制度を私たちは支持できません。
3.高い再生可能エネルギー目標を掲げ、全量の固定価格買取制度を導入すること
再 生可能エネルギー供給量の目標を、一次エネルギー供給量当たり10%から引き下げたり、その中に、ヒートポンプや燃料電池などを不適切に含めようとするこ とは、事実上の後退です。また、再生可能エネルギー電力の普及策は、マニフェスト通り、全ての再生可能エネルギーについて全量の固定価格買取制度を導入す ることを明示するべきです。
4.原子力の推進・利用を盛り込まないこと
原子力発電に依存した地球温暖化対策はこれまでも 機能しなかったことは、この十数年の対策が物語っています。私たちは、原発利用を基本法に改めて位置づけたり、ひいては核燃料サイクルをも位置づけようと いう動きには断固反対し、原子力に依存しないクリーンで安全な温暖化対策を求めます。
声明 2010年3月12日
地球温暖化対策基本法案の不十分な「キャップ」
【東京発】2009年12月から続い ていた地球温暖化対策基本法案に関する政府内の議論が、閣議決定という形で一応の決着を見た。閣議決定された法案は、いくつかの点において重大な問題を抱 えており、政権交代によって市民社会が期待した地球温暖化対策に関する新たなリーダーシップの発揮には至っていない。特に、以下の2点について、大きな懸 念がある。
1.「25%削減」目標が非建設的な形で国際合意に条件付けられている
法案は、主要国が参加した国際合意が成 立することを、「25%削減」目標設定の条件としている。新たな国際合意が必要であることは間違いないが、国際合意が無ければ削減目標も無くなると解釈で きるような表現にはすべきではなかった。そのような表現は、日本の非建設的な姿勢を内外に印象付け、国際合意の成立の可能性そのものを阻害しかねない。
2.国内排出量取引制度において原単位方式が一部認められる可能性を残した
法 案は、削減目標達成の主要政策として国内排出量取引制度の創設を盛り込んでいるが、その内容について課題を残した。そもそも民主党は「キャップ&トレード 型」の排出量取引制度を公約しているのである。総量方式の「キャップ&トレード型」の排出量取引制度でなければ、日本の削減目標達成に確実に寄与すること はできない。しかし、閣議決定された法案は、総量方式を基本としつつも、原単位方式の検討を認めてしまった。
原単位方式は、
- 目標が達成されても、生産量が増えれば排出量が増える可能性がある
- 増えた分を、どこか他の部門(排出量取引の対象にならない運輸・民生・海外クレジットなど)でカバーしなければならなくなる
- 総量としての排出量は増えているにもかかわらず、目標を超過して達成すれば、排出枠の売却ができるため、排出増加を促してしまう可能性がある、
といった問題がある。
また、排出量取引制度の導入年度も明記されておらず、議論の先延ばしが繰り返される可能性も残してしまっている。
今後の国内排出量取引制度をめぐる各論の中では、民主党がマニフェストで公約したキャップ&トレード型の排出量取引制度が着実に採用されるようにしていかなければならない。
以上の2つの論点の他にも、原発の利用の推進が明記されるなど、問題は多い。今後の国会における議論や、基本法を基にした個別政策の議論において、温室効果ガスの排出量を極限まで減らす「脱炭素社会」へ向けた道筋がきちんと示されることを確保していかなければならない。
WWFジャパンのポリシーミックス提案
/torihiki/
記者発表資料 2010年3月10日
地球温暖化対策基本法案における「キャップ&トレード」の危機
【日本・東京発】 地球温暖化対策基本法案をめぐる最近の混迷した議論の中で、日本の温室効果ガス排出削減目標の内実が損なわれようとしている。
WWF は、明日(3月11日)に開催予定の地球温暖化問題に関する閣僚委員会が、コペンハーゲン合意の中で日本が既に示した2020年までに1990年比で 25%を削減するという目標を、その目標達成の主要手段として位置づけられている「キャップ&トレード」と共に堅持するべきであると、主張している。
3月12日に閣議決定される予定の地球温暖化対策基本法案は、産業界および一部の労働組合によって経済・雇用への影響の懸念から厳しく批判されている。また、一部の省庁からは、排出量取引制度を原単位に基づいた制度とするべきだとの主張が出てきている。
しかし、原単位に基づく排出量取引制度は、法案の環境効果を著しく損なう。なぜなら、たとえ原単位の目標が達成されたとしても、生産量が増加すれば排出量は増えてしまうからである。
「も し地球温暖化対策基本法案が『原単位』に基づいた排出量取引制度を含むことになれば、政府が先の選挙で公約し、コペンハーゲン合意の中で世界に示した排出 量に関する『キャップ』を含まない制度になってしまう。同制度は『総量』に基づいた制度とするべきであり、そうでなければ、同制度は『キャップ&トレー ド』とは呼べない」とWWFジャパン・気候変動プログラムリーダーの山岸尚之は主張している。
WWFジャパンを含む日本の市民社会は、日本政府は、日本の気候変動対策を全ての主要国を含んだ国際的な枠組みを前提とするという条件付けを外すべきであると主張している。
「日 本政府は、自国の気候変動対策を国際合意に完全に条件付けるべきではない。そのような完全な条件付けは、日本の目標に対する国際的な信頼を傷つけるだけで なく、国内対策を遅らせかねない。現在の文言では、包括的な国際合意がなければ日本は何もしないという風に解釈できてしまう」と、山岸は述べる。
2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するという日本が掲げた目標は、世界で最も野心的な部類に入るものである。
市民社会は、地球温暖化対策基本法案が原子力発電所促進のために使われることにも懸念を示している。
さらに、再生可能エネルギーについては、家庭用太陽光からの余剰電力のみを対象とした制度ではなく、全ての持続可能な再生可能エネルギーを対象とし、発電量全量を対象とした固定価格買取制度を採用するべきであると主張している。
英文オリジナル
Carbon cap and trade at risk as Japan considers climate bill
Tokyo, Japan: Japan is at risk of undermining its own recent commitments on carbon emissions reductions during a confused - and confusing - debate on forthcoming climate legislation, WWF said today.
WWF is calling on a high-level Cabinet Member Committee meeting regarding climate change on Thursday to stick with the already outlined absolute emissions reductions of 25 per cent below 1990 levels by 2020 agreed under the Copenhagen Accord framework, and with the 'cap and trade' scheme outlined as a key mechanism for achieving the target.
The climate bill, to be presented to the full cabinet including Prime Minister Hatoyama on Friday, is being criticized by heavy industry labour unions for possible job loss while some government ministries are promoting a carbon intensity framework for emissions reductions.
Intensity-based emissions trading schemes however seriously undermines the environmental integrity of the bill - absolute emissions would increase with production even if intensity-based targets are achieved.
"If the bill includes "intensity-based" emissions trading schemes then it does not consider the emissions cap that the Japanese government has promised to the Japanese people during the elections and to the world following the Copenhagen Accord," said Naoyuki Yamagishi,WWF-Japan's Head of Climate Change.
"It should have "absolute-based" emissions trading, which is crucial for the scheme to be called "cap and trade" scheme."
Japanese civil groups are also calling on the government to drop the conditionality clauses in the new bill that threaten to tie Japanese action on climate change to a successful international agreement which includes all the major economies..
"Japan should not send wrong signals by making its action absolutely conditional to an international agreement," said Yamagishi. "It will not only jeopardize the credibility of the Japanese target internationally but will also slow down domestic actions."
"The current language in the bill could be interpreted as Japan doing nothing to reduce emissions if there is no comprehensive international agreement."
Japan's pledge to cut greenhouse-gas emissions to 25 per cent below 1990 levels by 2020 is one of the most ambitious in the world.
Japanese civil society groups are also not wishing to see the climate bill being used as a vehicle for an expansion of nuclear power plants.
They would also like to see feed-tariffs for renewable energy that require power companies to buy all the energy produced from all kinds of sustainable renewable energies and not, as proposed, just surplus power from domestic solar installations.
■本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
WWFジャパン・気候変動プログラム climatechange@wwf.or.jp 03-3769-3509
Kim Carstensen, Leader Global Climate Initiative, WWF International, k.carstensen@wwf.dk, +4540343635;
Ashwini Prabha, Communications Manager, WWF International, aprabha@wwfint.org, +41798741682
関連サイト
MAKE the RULE キャンペーンのサイト: