森林認証評価ガイド(FCAG)を用いたFSCおよびPEFC森林管理認証の分析
2010/05/24
FSCが最善の森林認証制度
個々の森林でも景観レベルであっても、生物多様性の保全と生態系サービスの維持のためには、責任ある森林管理が必要です。WWFは、信頼できる森林認証制度が、責任ある森林管理と林産物の調達を促すものと考えています。WWFは、世界銀行と協力し、個々の森林認証制度の質と信頼性を評価するため、森林認証評価ガイド(Forest Certification Assessment Guide :FCAG)を策定しています。
信頼できる森林認証に関するWWFの考え方を再検討するため、WWFは国際的な森林認証制度であるFSC (Forest Stewardship Council)とPEFC (Program for Endorsement of Certification Systems)について、FCAGを使った評価を委託しました。評価ではこれらの認証制度が国際的に定めているルールに焦点をあてましたが、国際的な視点では評価できない側面も考慮し、ドイツ、オーストラリア、チリにおける両制度の国内基準の評価による補足も行ないました。
評価結果では、WWFが2005年に行なった前回評価と比べ、両制度とも国際的にわずかな変更がみられましたが、最新のFCAGを用いた評価、その他の過去の評価に基づく今回の結論は、「両制度とも改善すべき課題はあるものの、WWFの主要な要求に最も合致するのはFSC」でした。
森林認証制度へのWWFの主な要求
- 現場での森林管理の大幅な改善をもたらすこと
- 全ての主要な利害関係者の実質的かつ公平な参加、信頼でき独立した評価、利害の衝突に左右されない認証付与、意思決定と報告の透明性というWWFの基本的価値観に合致すること
- 国が異なっても一貫性があること
調査結果
WWFは引き続きFSCをさらによいものにすることに努力し、責任ある森林管理の国際的に認知されたロゴマークとして普及する予定です。
一方、WWFは両制度ともに改善が必要であると認識しています。
FSCは、その暫定基準に対する取り組みについて改善が必要です。
PEFCは、特に意思決定と報告の透明性、利害関係者の意味があり公平な参加、現場での森林管理の改善への貢献の点など幅広い点について改善が必要です。またPEFCは、国が異なる場合の一貫性のあるアプローチを進展させる必要があります。ある国でのPEFCは他の国と比べて良いパフォーマンスであることがありますが、ロゴマークが同じであるため、消費者は違いを判別することができません。
今回の結論は、主に以下の研究に基づいています。
- An analysis of the FSC and PEFC Systems for Forest Management Certification, using the Forest Certification Assessment Guide (FCAG), Walter, October 2008;
- An analysis of Corrective Action Requests (CAR) of FSC and PEFC across six countries in Europe, Hirschberger, 2005;
- The Global Impacts of SmartWood Certification, Newsom & Hewitt, 2005.
- Forest Certification Credibility Assessment in Indonesia Applying the Forest Certification Assessment Guide on National Level, Hinrichs & Prasetyo, 2007.
この情報のオリジナルはこちら
WWFインターナショナルのサイト 2008年11月18日
http://www.panda.org/what_we_do/footprint/forestry/news/?150601/FSC-still-the-best
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