沖縄・慶良間の海へ!アニマルプラネット「グリーンカレッジ2012」
2012/04/13
2012年3月30日から4月1日まで、沖縄の慶良間諸島で、アニマルプラネット「グリーンカレッジ2012」が開催されました。地元と全国から参加した20名の小学生たちが参加。WWFジャパンからもスタッフが講師として協力し、沖縄の海や自然についてレクチャーを行ないました。次世代を担う子どもたちが、どのような体験をし、何を感じたのか。参加レポートをお送りします。
全国の子どもたちが慶良間の海へ
沖縄本島よりフェリーで2時間、高速船で1時間の距離にある慶良間(ケラマ)諸島の座間味島で、2012年3月30日から2泊3日の日程で、アニマルプラネット「グリーンカレッジ2012」が行なわれました。
この「グリーンカレッジ」は動物チャンネルのアニマルプラネットが2007年から実施しているイベントで、「キッズ・ジャーナリスト」として選ばれた小学校4~6年生の子どもたちが、親元を離れて日本の各地を訪れ、その自然を満喫・体感・学ぶプログラム。今回の開催で5回目を数えます。
2012年の「グリーンカレッジ」に参加した子どもたちは、全国の都道府県から参加した10名と地元の10名の合計20名。
全国からの参加者の子どもたちは、まず東京を早朝に集合し、現地座間味島に向かいました。
島に到着したのはお昼過ぎ。
座間味港では、同じ「グリーンカレッジ2012」の参加者である、地元の子どもたちが横断幕を持って出迎えてくれました。
初日:沖縄と座間味はどんな場所?
メンバーが揃った一行は、まず港から程近い神ノ浜展望台に移動。
座間味村の村長さんをはじめ今回のグリーンカレッジのスタッフ全員に挨拶し、続いて、WWFレクチャーを受けてもらいました。これは、WWFジャパンのスタッフから、WWFの活動と沖縄・座間味の自然や歴史について解説するプログラムです。
実は、この慶良間諸島は、WWFが行なってきた「WWF南西諸島生きものマップ」プロジェクトの中で、重要海域に指定されている、沖縄の中でも大切な海域なのです。
その自然はすばらしく、早朝に出発し2時間のフェリーのあとにもかかわらず、子どもたちは皆、スタッフが用意した紹介用のスライドパネルを熱心に見つめ、また質問のたびに元気に手を上げるなど、疲れを一切感じさせない様子でした。
その後、キャンプサイトに移動し、「グリーンカレッジ」のパートナー企業の一つであるコールマンジャパン株式会社の方より、テント張りの講習。
自分の背丈よりも大きなテントにポールを通し、上手にフライシートをかぶせることができました。
午後はいよいよカヌーの講習。
二人一組となり、全員で海へ漕ぎ出すと、はじめは慣れない手つきでタイミングも合わなかった子どもたちの船も、最後にはみな上手に前進や方向転換ができるようになりました。中にはエイやウミガメを見つける子もいたようです。
夜は、みんなでキャンプです。夕食後にはスターウォッチングのプログラムがありました。
同じく「グリーンカレッジ」のパートナー企業の一つである、株式会社ビクセンのスタッフが用意した望遠鏡が何台もずらっと並び、星空に焦点を定めた姿は壮観です。
子どもたちも周りを取り囲んで興味津々。この日は金星や木星の衛星なども観察できましたが、何よりみんなが驚いたのは、月の表面のクレーターが写真のようにくっきり見えたこと。望遠鏡越しにその画像を納めようと、何度もデジカメで撮影を試みる子たちもいました。
二日目:悪天候に負けず…
初日は天気にもめぐまれ、順調にプログラムを終えることができた「グリーンカレッジ」でしたが、翌日は前線の通過により、天気が悪くなる予報とのこと。
急遽スケジュールを変更し、朝食後はいきもののセンサーを体験するプログラムを行ないました。
これは、「グリーンカレッジ」パートナー企業の株式会社堀場製作所の熱測定機を使って、遠くのものの温度を計測し、昆虫などさまざまな生きものを観察し、その生きものたちが備えている能力を体験するというものです。
ちょうどそのころ、外では雨が降り出していましたが、幸いにも午後には天候も回復に向かい、夕方には予定通り、海でのシュノーケルや、近くの無人島安慶名敷(あぎなしく)島での探検を実施することができました。
無人島では子どもたちは、ヤギのすみか探しをする班、島の大きさを測る班など、各班に分かれ、課題であった「無人島マップ作り」の素材集めをしました。
ヤギの班は、島のあちこちにある、それらしい藪と、その中への出入りに続くけもの道を見つけては、熱心に観察したりスケッチして、周辺の足跡や糞などの痕跡を探しつつ、島の中を縦横無尽に歩き回っていました。
最終日:子どもたちの見た慶良間の島
いよいよ最終日となる3日目。まずはテントを撤収します。
そして、今回の「グリーンカレッジ」の成果の一つである、「無人島マップ」を作りあげました。
これは前日、無人島で各班で調べたデータや写真を、大きな地図に書き込んだり貼り付けたりしたもので、子どもたちの個性を存分に反映した、とてもユニークで楽しい地図ができました。
この地図は、座間味港のターミナルに掲示され、しばらくはここで展示される予定とのことです。島を訪れる人たちの目を楽しませてくれるに違いありません。
ここで、「グリーンカレッジ」は終了。島で合流した半数のメンバーとも、お別れです。
最後は、子どもたち全員で、港にて記念撮影。
全国に帰ってゆく子どもたちを乗せたフェリーが、島を離れると、お互いに大きな声で「バイバーイ!」。誰からともなく、子どもたちだけの合唱が始まり、防波堤と船上の2つの合唱団による、ちょっとした素敵なライブが始まりました。
そして、船から見える島の防波堤と、その先端で見送っていた子どもたちの姿が次第に小さくなっていく中、いきなり2,3人の地元の男の子が、防波堤の上からジャンプ!両手両足を広げた大の字のまま海にドボーン、ドボーンと飛び込む様子が見えました。
いやはやなんとも豪快!飛び込んだ子たちは泳ぎながらもずっと手を振っていました。
楽しかった座間味島キャンプもあっという間に終わり。
しかし、今回の座間味島でのキャンプと自然体験を通じて、子どもたちがこれからの人生で、海の自然・沖縄や離島というキーワードに触れたとき、この2泊3日を思い出してくれることでしょう。
できることならば、今回の経験や出会った友達とのつながり、自然への関心がどんどん膨らみ、次の世代を担う若者たちとして、生物多様性や環境問題を意識し、さらに社会に働きかけていく、そんな実践者になっていってくれればと思います。
関連サイト
アニマルプラネットのサイトにも「グリーンカレッジ」の様子が報告されています。こちらもぜひご覧ください!