干潟と人のつながりを学ぶ講座 黄海・韓国での取り組み
2011/11/17
自然保護室の安村です。韓国に行ってきました。
行き先は、黄海エコリージョン支援プロジェクトの一環として、全羅南道(ぜんらなんどう)ムアン郡で実施している、干潟保全の取り組みの現場です。
ここでは、韓国のNGO生態地平研究所(EHI)と、研究機関である韓国海洋研究院(KORDI)が、ムアン郡海洋課、地域の住民の方々と共に、海の持続可能な利用と保全、そして水産物を活かした地域振興に取り組んでいます。
今回は、EHIが環境教育のインストラクター養成のため開催している、連続講座にも参加してきました。
当日のテーマは、干潟での伝統的な漁業活動とその文化。講師は全羅南道発展研究院のキム・ジュンさんで、受講者は、専業主婦、農家、ムアン郡役場、ムアン生態干潟センターの職員、製塩業を営んでいる方々など10名です。
キムさんは、今年7月にWWFで実施した、日韓干潟交流ツアーの参加メンバーでもあり、嬉しい再会となりました。
講義では、地域の人たちが海と干潟から食料を得て、芸能や文化を培ってきたことを、四季を通じた漁業の映像やさまざまな漁具のイラストを交えながら、キムさんが丁寧に説明していました。
私も最後にご挨拶する機会をいただいたので、エコツーリズムや環境教育の担い手である地域の皆さんの活躍に対する期待をお伝えしました。
干潟の環境が悪化し、それと共に生きてきた文化や知恵が失われつつある中、地域の人たちの活動は干潟保全の大きな力なのです。
住民、研究者、NGOや企業、行政の関係者と、さまざまな立場の人たちが、国境を越えて協力し、海の保全に取り組むところが、このプロジェクトの面白く、また価値あるところです。また続報をお伝えします。