IPCCベルリン会議終了!報告書が発表されました
2014/04/13
ドイツのベルリンより、温暖化担当の小西です。
こちらで開かれていた、IPCCの第3作業部会の会議が終わり、無事に報告書が発表されました。
第1~第3まで、3つの会議に参加してきましたが、今までで一番疲れました。
内容が経済モデルの研究成果など、非常に難解だったため、理解するだけでも必死だったことと、温室効果ガスの削減分担のような非常に政治的な内容が多かったこと。そして会議は夜を徹して行なわれたこと。
しかし、会議がすべて終わってあと、出来上がった報告の「政策決定者向けの要約」を頭から読むと、改めてメッセージは非常にクリアだなあと思います。
- 温暖化は化石燃料使用で引き起こされている。特に石炭の責任が大きい
- このままだと100年後には4度前後の気温上昇が予測される
- 2度未満に抑える道は残されており、しかも対策をとっても経済成長に与える影響はわずかである。しかし、対策を遅らせれば遅らせるほど高くついて、より困難になる
また、温暖化を防ぐ低炭素社会は、人の健康や生物多様性などに多大な便益があることも明示されました。
今回の報告書の重要なメッセージは、温暖化問題はエネルギー問題であることを明確に前提としていること。
日本では、「エネルギー基本計画」がまさに閣議決定されたところですが、残念ながらその内容には脱炭素社会へ向かう気構えが見うけられません。あらためてIPCCの報告書のメッセージを受け止めて国内のエネルギー計画を見直し、世界の温暖化対策へ寄与していく日本であってほしいと切に願います。
今回発表された、「政策決定者向けの要約」は、通常2~3か月後となりますが、政府から日本語訳が発表されますので、ぜひ読んでみてください。
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