沖縄の幻のネズミ、「種の保存法」による国の保護動物に
2016/03/04
沖縄島の北部に広がる亜熱帯の森「やんばる(山原)」。
この森には、ノグチゲラやヤンバルクイナなど、世界でここにだけ生息する希少な野生動物が息づいています。
その中の1種、オキナワトゲネズミが、先日「国内希少野生動植物種」に指定されました。
国内希少野生動植物種とは、「種の保存法」で保護が義務付けられる動植物で、すでにイリオモテヤマネコやコウノトリ、アユモドキなどが指定されています。
オキナワトゲネズミは、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種として掲載されていましたが、これまで国による十分な調査や保護は行なわれてきませんでした。
そこで、私たちWWFでは森林総合研究所と協力して、2007年から数年間にわたり調査活動を実施。
2008年3月には、過去30年間、例のなかった捕獲にも成功!し、一時は「絶滅したのではないか」とさえ言われていたその生息を確認しました。
また、この調査は、「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる、南西諸島の生物多様性を評価するプロジェクトの一環として行ないました。
オキナワトゲネズミは、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種として掲載されていましたが、これまで国による十分な調査や保護は行なわれてきませんでした。
今回のオキナワトゲネズミの国内希少野生動植物種への指定も、こうした調査と保護活動が貢献した、一つの成果といえるかもしれません。
南西諸島では今後、世界自然遺産への登録に向けた動きが加速する見込みです。
実現にはまだ多くの課題がありますが、未来にこの豊かな自然を遺してゆくためにも、今回のような保護施策がより多く実現されるように、私たちも後押ししてゆきたいと思います。(自然保護室 権田)