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スイスのワシントン条約関連会議の会場から


自然保護室の滝本です。
今、スイスで開かれている「ワシントン条約(CITES)」の動物委員会の会合に参加中です。

ワシントン条約の正式な名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」。

密猟などによって捕獲された野生動物が、世界中に密輸されることを防ぐことで、保護することを目的とした国際条約です。

2~3年おきに加盟国が集まって開かれる締約国会議(COP)をはじめ、毎年行なわれる「常設委員会」や「動物委員会」などの会合では、どのような動植物が危機にあり、その取引をどう規制するべきかが話し合われます。

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今回の動物委員会の会議場

50年以上にわたって野生生物の保全に取り組んできたWWFにとっても、このワシントン条約は関係の深い条約の一つ。
各会議にスタッフを送り、議論の行方を追いながら、保全に役立つ合意が成立するように、働きかけを続けています。

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会議場の様子。手前に座っているのがWWFのスタッフたちです。

私は今回、初めてだったのですが、一緒に参加しているスタッフの中には経験豊かなベテランも少なくありません。

その一人のコールマン・オクリオダインさんは、野生生物に関する政策の専門家。議題に上がる動植物について、幅広く、各国の動向や、提議される内容をチェックしています。
所属はWWFインターナショナルの野生生物部門で、普段はケニアにいますが、国境を越えた立場で参加するこうした会議などで、長年活躍しているスタッフの一人です。

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WWFインターナショナルのコールマンさん。WWFはオブザーバーとして会議に参加しています。

最近は、ゾウやトラなどだけでなく、ウナギやサメなど水産資源として利用される野生生物が、大きなテーマとして注目されるようになってきた、ワシントン条約。

ここでの取り決めや動きが、実際の野生生物保全に役立てられるように、引き続きその動きを追いたいと思います。

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自然保護室(海洋水産)
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

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WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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