スイスのワシントン条約関連会議の会場から
2018/07/20
自然保護室の滝本です。
今、スイスで開かれている「ワシントン条約(CITES)」の動物委員会の会合に参加中です。
ワシントン条約の正式な名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」。
密猟などによって捕獲された野生動物が、世界中に密輸されることを防ぐことで、保護することを目的とした国際条約です。
2~3年おきに加盟国が集まって開かれる締約国会議(COP)をはじめ、毎年行なわれる「常設委員会」や「動物委員会」などの会合では、どのような動植物が危機にあり、その取引をどう規制するべきかが話し合われます。
50年以上にわたって野生生物の保全に取り組んできたWWFにとっても、このワシントン条約は関係の深い条約の一つ。
各会議にスタッフを送り、議論の行方を追いながら、保全に役立つ合意が成立するように、働きかけを続けています。
私は今回、初めてだったのですが、一緒に参加しているスタッフの中には経験豊かなベテランも少なくありません。
その一人のコールマン・オクリオダインさんは、野生生物に関する政策の専門家。議題に上がる動植物について、幅広く、各国の動向や、提議される内容をチェックしています。
所属はWWFインターナショナルの野生生物部門で、普段はケニアにいますが、国境を越えた立場で参加するこうした会議などで、長年活躍しているスタッフの一人です。
最近は、ゾウやトラなどだけでなく、ウナギやサメなど水産資源として利用される野生生物が、大きなテーマとして注目されるようになってきた、ワシントン条約。
ここでの取り決めや動きが、実際の野生生物保全に役立てられるように、引き続きその動きを追いたいと思います。