グアムより、まぐろをめぐる各国代表団の攻防
2012/03/29
水産担当の山内です。
グアムで開催されているWCPFCの第8回年次会合に来ています。
ようやく折り返し地点の3日目を過ぎ、加盟国間での議論が活発になってきました。
今回、大きな課題となっているのは、日本人が大好きなマグロである、メバチ、キハダの資源関する措置の「改定」です。
3年前に「メバチの漁獲量30%削減!」とメディアでも話題になった、通称「2008-01」と呼ばれる管理措置。ちょうど3年間の有効期間が終わるため、この管理措置のレビューと、改定が今年合意される必要があります。
私たちが求めているのは、事前に合意した上で運用される、「漁獲管理方策」の導入。そして、目指すべき資源水準と、利用の限界となる資源水準からなる管理の「基準値」の合意です。
ところが、「2008-01」は禁漁区域の設定や、条件付き禁漁期間の設定なども含んでいるため、南太平洋沿岸の島嶼国や、日本、台湾、韓国などからなる東洋の遠洋漁業国、またアメリカ、EUなど多様な加盟国間で議論がヒートアップ。まだまだ着地点が見えません。
とはいえ「改定」版が合意できずに有効期限が切れてしまえば、WCPFCは、まぐろ類の保全管理能力を世界に示せないばかりか、これらの資源の管理は危機的な状況となります。
残り時間はあと2日。
多くの関係者が見守る中、日本代表団もその他の加盟国代表団とともに、自国の利益と、全体の利益の間での調整を迫られています。
目指すべき「持続可能なマグロ利用」に向けた取り組みが後退しないこと。WWFはこれを強く要望しつつ、最後まで各国の努力に期待しています。。