一歩ずつ!「やんばる」での赤土流出対策プロジェクト


先週、沖縄の大宜味村に行ってきました。
大宜味村は隣接する東村ともども、沖縄が誇る亜熱帯の森「やんばる」の南部に位置する自治体で、森と海、両方の自然に恵まれた場所です。

ここで今、私たちは地域の関係者の皆さんと共に、「赤土」の海への流出を防ぐ、新たなプロジェクトを進めています。

赤土とは、この地方特有の粒子の細かい赤茶色の土のこと。雨が降ると農地などから川へ、さらに海へと流れ込み、水を濁すため、サンゴを含む海の生態系にとって大きな脅威になっています。

農地の現場訪問。大宜味村と東村を流れる複数の川の流域を中心に、こうした調査を実施し、取り組みに必要な情報をまとめてゆきます。

このプロジェクトの目標は、久米島で以前に実施した同様の活動を参考にしながら、地域の農業、行政、保全関係者の取り組みを支援し、そのネットワークを周辺の自治体にも拡大してゆくこと。何より最大の特徴は、地元の方々が主役であることです。

これを推進してゆくためには、地域の皆さんの関心やご意見をしっかりとうかがいながら、方針を検討してゆくことが大事なカギになります。

今回お会いしたのは、大宜味村の宮城功光村長。そして産業振興課のご担当者の方です。

大宜味村に隣接する、東村の海。

プロジェクトの趣旨をご説明したところ、宮城村長からは今後の協力についてご賛同いただいたのみならず、地元の子どもたちが参加できる保全活動や、身近な環境を学ぶ機会についても、前向きなご提案をいただくことができました。

また、専門家の方と一緒に、赤土の流出源である農地の現場も訪れ、特に対策が必要と考えられる地点のマップ作りに向けた下調べも行ないました。

プロジェクトでは今後、隣の東村でも同様の意見交換や調査を進めてゆく予定です。

一歩一歩ですが、沖縄の海の自然を守る取り組みを、進めてゆきたいと思います。(自然保護室:権田)。

大宜味村では昨年11月、プロジェクトの皮きりとなる意見交換会を開催。赤土被害によって懸念される地域への影響と、問題に対する関心の高さを実感しました。

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自然保護室 国内グループ所属
権田 雅之

南西諸島プロジェクトを担当。陸域での取り組みを行なっています。

亜熱帯に属する琉球列島の島々で、アマミノクロウサギをはじめ希少生物やその生息地の保全に、地域の方々と共に取り組んでいます。問題と地域社会の変革は、国外の他の島々でも同じような問題と解決の縮図。次の一手は東南アジアの島々や地域への拡大もありや。

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