沖縄県知事と石垣市長宛に抗議声明 白保大規模リゾートホテル建設計画の開発許可の撤回を求める


記者発表資料 2018年4月27日

1)沖縄県石垣市白保のリゾートホテル開発計画は、サンゴ礁保全の観点から容認できない
2)沖縄県と石垣市は、国際的にも重要な白保サンゴ礁生態系を責任もって保全すべき立場にある
3)沖縄県による開発許可を撤回するよう強く求める

 

本日、公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(東京都港区 会長:德川恒孝 以下、WWFジャパン)は、公益財団法人 日本自然保護協会(会長:亀山 章)との連名で、沖縄県知事と石垣市長宛に抗議声明を提出し、石垣島白保のリゾートホテル建設計画の開発許可を撤回するよう、強く求めました。

この開発計画は、人口約1600人の白保に、年間10万人宿泊規模のリゾートホテルを建設するものです。那覇市に本社を置く(株)日建ハウジングの100%出資子会社である(株)石垣島白保ホテル&リゾーツが、2017年11月、石垣市に開発許可を申請。石垣市は本開発計画について、条例に基づく審査の結果「不同意」と判断し、開発許可の最終審査・決定機関である沖縄県に推達しました。その後、沖縄県による審議を経て、2018年3月28日付で同県から開発許可が出されました。尚、2017年11月24日には地域住民による臨時総会が白保公民館で開催され、ほぼ全会一致で本開発計画への「不同意」が決議されています。

WWFジャパンは2017年12月16日に、沖縄県知事宛の意見書を手交し、開発許可申請を許可しないよう求めていましたが、開発許可が出されたことを受け、以下の理由から、開発許可を撤回し、白保地区のサンゴ礁と周辺の生態系をこれ以上損なうことなく保全することを、沖縄県知事と石垣市長の両者に強く求めました。

  • 開発予定地の白保地区の沿岸には、南北約400m、東西約200mにわたる世界最大規模のアオサンゴ群集があり、この海域は、希少種を含む多様な種が生息するサンゴ礁生態系として我が国の重要湿地に指定されるなど、国際的にも重要な生態系の一つとして位置づけられている。
  • サンゴ礁生態系の保全には、沿岸だけでなく、周辺の陸から海にかけての連続性や、地上から地下・海中の連続性が健全に保たれる形で一体的に保全される必要がある。リゾートホテルの建設計画は、この白保のサンゴ礁生態系に悪影響を与えることが強く懸念される。
  • サンゴ礁は最もぜい弱かつ危機せまる生態系の一つ。生物多様性条約の愛知目標でもその保全が締約国各国に約束されている。さらに2018年は3回目の国際サンゴ礁年として、世界的に保全の機運が高まっている。
  • 沖縄県と石垣市は責任をもって、かつ国際的にもイニシアティブを発揮しながら、国際的にも重要な白保のサンゴ礁生態系を保全すべき立場にある。2016年には気候変動とも関連する異常気象により石西礁湖のサンゴ群集が大きく影響を受けたこともあり、その責任はより大きなものとなっている。

声明

本件に関する問い合わせ先

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