意欲ある地球温暖化対策計画への修正を
2016/04/14
2016年4月13日、WWFジャパンは、政府の地球温暖化対策推進本部がとりまとめた、「地球温暖化対策計画(案)」に対して意見(パブリックコメント)を提出しました。環境省と経済産業省の審議会の合同会合を経てとりまとめられたこの計画案は、向こう数十年にわたる日本の温暖化対策の根幹を定めた、重要なものです。しかし、2015年にパリ協定が採択され、深刻化する温暖化への解決に向けて各国の一層の努力が求められる中、経済大国である日本の政府が今回示した計画案は、協定の内容を"十分"に意識した内容にはなっていません。
長期的視点を持った意欲的な対策内容の構築を
2016年3月15日、政府の地球温暖化対策推進本部の会合でとりまとめられた「地球温暖化対策計画(案)」へのパブリックコメントに対して、今回WWFジャパンから意見提出をしました。
深刻化する温暖化の脅威に対して、世界が協調する姿勢を明らかにした2015年12月の「パリ協定」の採択後、初めて日本政府が提示する、国の根幹的な温暖化対策計画となります。
しかしながら、その内容は「パリ協定」に準じたものになっておらず、世界に対し責任ある経済大国の姿勢としては、十分ではない点が多く目立ちます。
WWFは今回、この計画案に対し、主に下記の点を強く求める意見を提出しました。
- パリ協定の「2度/1.5度」目標への貢献を明記すること
- 長期目標(2050年80%削減)の明記を維持すること
- パリ協定に準じて、削減目標の定期的な改善見直しを行なっていくこと
- 革新的技術開発のみに依存した対策でなく、既存の優良技術の波及も重視すること
- 企業の取組みとしての「低炭素社会実行計画」の透明性・実効性の改善の観点から、長期的視点に基づきライフサイクルにわたる削減対策の策定・実施を進めていくこと
- 石炭火発の新設・増設を禁止し、既存施設も段階的に廃止する政策を進めること
- 排出量取引制度の導入に向けた積極的な検討を行なうこと
- 金融機関や機関投資家の投資対象における、排出量情報の開示を促していくこと
今後はパリ協定に準じ、2018年からは5年おきに定常的に世界全体の温暖化対策の進捗確認が行なわれ、それにともなって各国の削減目標の改善が厳しく要求されていきます。
WWFは、主要排出国である日本はその責務を十分に果たし、国内の低炭素社会の実現が早期に達成できるよう、今回の"消極的な"対策内容が目立つ計画案の内容を見直し、上記の意見が計画案に追加もしくは堅持される内容にすべきと考えます。
WWFが「地球温暖化対策計画(案)」のパブリックコメントに提出した意見内容については、下記をご覧ください。