【抄訳】トランプ新政権発足初日の大統領令に関する声明
2025/01/23
注)本資料は、アメリカのWWFオフィスであるWorld Wildlife Fund(以下、WWFアメリカ)が米国時間2025年1月20日に発表したプレスリリース「WWF Statement on Day One Executive Actions」の日本語抄訳版であり、当資料の内容および解釈については原文(英語)が優先されます。
原文は以下URLからご確認ください。
https://www.worldwildlife.org/press-releases/wwf-statement-on-day-one-executive-actions
WWFアメリカは、新政権発足初日にホワイトハウスが行なった気候や自然に関する大統領令に対し、WWFアメリカのCEOカーター・ロバーツから以下の声明を発表しました:
自然は私たちの最も貴重な資源です。そして、本日の大統領令は自然を危険にさらすものです。
何十年もの間、アメリカは自然保護において世界で重要な役割を果たしてきました。新政権は、そのリーダーシップを強化し、それによってもたらされる利益を享受する機会を得ています。その恩恵とは、きれいな水や空気、そして私たちの暮らしの大部分を占める自然の中での子育て、大災害・干ばつ・嵐に対する回復力ある将来に備えた食料システム、世界中の強固な市場に関連した新たな雇用、そして世界でもほとんど匹敵するもののない自然遺産の保護などです。
経済、環境、そして国家安全保障を確保するために、より効果的な方法があるのです。
パリ協定は、それぞれの地域社会が安定かつ安全で安心な世界を実現するために、各国が独自の目標を策定し、独自の決定を下すことを認めています。パリ協定からの離脱は、アメリカが生産的なパートナーシップを構築できる国々や、アメリカが生み出すイノベーションの市場となり得る国々、そしてアメリカのビジネスに必要な原材料を提供する国々との間で、アメリカの利益の促進を困難にする可能性があります。
さらに、北極圏で石油を掘削することが経済的に理にかなっているかどうかは、誰にも分かりません。分かっていることは、流出する可能性のある石油を浄化する計画も能力も確立されていないということです。私たちは、アメリカ人の真のニーズ、特に健全な海洋生態系に依存する地域社会のニーズを、より効率的で収益性の高い方法で満たすことができます。新たな解決策を開発する新たな雇用を創出し、国内のより多くの市や町に再生可能エネルギーを導入することは、はるかに理にかなっています。そうすることで、私たちの最も貴重な資源である自然を危険にさらすことなく、アメリカの家庭やビジネスに電力を供給することができます。
科学は、私たちが自然を大切にすれば、自然が私たちを大切にしてくれることを示しています。WWFアメリカは過去60年以上にわたり、両党の大統領とのパートナーシップのもと、人と自然が調和して生きられる未来を創造するという使命に全力を注いできました。きれいな水や空気、多くの自然、予測可能な天候を求め、自然を大切にし、自然が私たちの未来に不可欠であることを理解している州、都市、ビジネスリーダー、地域社会、家庭と同様に、アメリカ政府はこの活動にとって重要な存在なのです。