「持続可能性に配慮した調達コード(案)」に対するパブリックコメント
2016/12/27
記者発表資料 2016年12月27日
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)が意見募集を求めていた「持続可能性に配慮した調達コード(案)」に対し、WWFジャパンは以下の意見を提出しました。 東京2020組織委員会が発表した「持続可能性に配慮した調達コード(案)」ならびに意見募集要項は以下のリンクから確認できます。
種別 | 該当項目 | ご意見の内容 | 理由等 |
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水産物 | 1 | 加工食品の調達に関し、「可能な限り優先的に」を「優先的に」あるいは「最大限優先的に」と修正すべきである。 | 「可能な限り優先的に」とは主観的で努力目標の印象を与えかねない。コードを満たすものと満たさないものの二者択一があった場合、満たすものを必ず調達することを誤解のない文言で表現すべきである。 |
水産物 | 2 | 「以下の①~④の詳細については別紙に記す」と追記すべきである。 | 別紙の適用範囲が本文4にのみ該当するかの印象を与える。 例えば「生態系の保全に配慮する」といったことが何を意味するのかが本文のみでは不明瞭である。 |
水産物 | 2 | 「①漁獲又は生産、および輸送、輸出入、取得、販売が、その国の関係法令に照らして適切に行われていること」と修正すべきである。 | 特に輸入水産物の場合、産地国での法令にも準拠する必要があること、違法取引など漁業関連法案なども対象とする必要がある。 |
水産物 | 3 | 「FAOのガイドライン」について、関係者(サプライヤー等)の理解を深めるため、ガイドラインの日本語全訳(加えて簡易版やチェックリストを加えてもよい)を参考資料として作成、公開するべきである。 | FAOのガイドラインに関しては日本語資料が少なく、何をもって準拠すると言えるのかの判断が難しい。また水産業における国際的な観点からの持続可能性を理解を促進するうえで非常に有用である。 |
水産物 | 4 | 「上記2を満たす水産物を選択する上で、上記3に示す認証を受けた水産物以外を必要とする場合は~」と修正すべきである。 | 4(1)、4(2)単独では2の①~③を満たしているとは言えず、持続可能性に配慮しているとは言えない。4に示す認証水産物以外のコードが2の①~④を満たす必要があることを明記すべきである。 |
水産物 | 4 | (1)、(2)は削除すべきである。 | 4は(1)~(3)のいずれかに該当するものとあるが、上述のように(1)、(2)単独では持続可能性に配慮しているとは言えず、不適切である。 |
水産物 | 6 | 「組織委員会が認める持続可能性に資する取組」について明記すべき。または現時点で具体的な取り組みが想定されていない場合は、判断する必要性が生じた際に、その内容と判断根拠について情報公開を行うこと。 | 海外産の水産物については、2の要件、および別紙に従った確認が必要でなく、基準が曖昧にみえる。 |
水産物 | 別紙 | 「調達基準2の①~④においては、国際水産物の場合は漁業者または漁業者の所属する漁業組合等が、輸入水産物の場合は輸入事業者が、説明責任の観点から、専門的な知識を有するものとしてあらかじめ認定された第三者の立ち合いと確認のもと、合理的な方法に基づいて以下の確認を実施し、その結果について書面に記録する。」と修正すべきである。 | 漁業者や漁業協同組合等、輸入業者等が必ずしもFAOの「責任ある漁業のための行動規範」、国内法令、地域漁業管理機関の定める漁業管理措置、等に関して十分な知識を有しているとは限らず、判断のコンプライアンスが懸念される。また、十分な知識を有し公平公正な判断ができる第3者による客観的な確認がなされない限り、運用が調達基準に沿ってなされることが担保されない。 |
水産物 | 別紙 | 確認と書面での記録について、確認事項リストやテンプレートを用意し、均質の判断と作業の効率化を図るべきである。 | 情報取集における質や量、確認作業における判断基準が、実施者によってばらつきが生じる可能性があるため |