沖縄県知事が辺野古の海の埋立て申請を承認
2013/12/27
2013年12月27日、沖縄県の仲井真弘多知事が、同県の宜野湾市にある、米軍普天間飛行場の移設先の候補とされていた名護市辺野古(へのこ)の、公有水面の埋立て申請を承認しました。この承認は事実上、辺野古での新たな米軍基地の建設を、国に対して認めるものであり、同海域に広がる貴重な海の生態系を、危機にさらすものです。
ジュゴンの海の未来
沖縄県名護市辺野古と、それに隣接した大浦湾の海は、世界的に見ても貴重な自然がのこる海です。
ここは、日本国内で認められている、ほぼ最後のジュゴンの生息海域であり、2007年9月には新たなアオサンゴの大群集も確認されました。
しかし、この海では現在、沖縄普天間米軍基地を移設し、あらたな米軍基地を造るための埋め立てが進められようとしています。
仲井真弘多沖縄県知事はこれまで、現状のこの基地計画について「事業実施区域周辺域の生活環境及び自然環境の保全を図ることは不可能と考える」と意見を表明し、国が基地建設のため、沖縄県に対して行なってきた公有水面の埋め立てに対し、留保の姿勢をとってきました。
しかし、2013年12月27日、地元から強い反対の声があがり続けてきたにもかかわらず、知事は辺野古の埋立てを承認。事実上、辺野古での新たな米軍基地の建設を、国に対して認めることになりました。
これは、地域社会や自然環境への配慮を明らかに欠いたものであり、地元住民や次の世代を担う人々に引き継ぐべき、豊かな生物多様性と、地域に根差した文化の消失にもつながるものです。
WWFジャパンは、今回の承認に抗議する声明を発表しました。