マグロの漁獲量と消費量
2010/01/01
スーパーで、お寿司屋さんで、和風、洋風さまざまなお店で、日本ではどこでも手に入り、食べることができるマグロ。日本のマグロの漁獲量と輸入量は、ともに世界最大です。
世界のマグロの消費量
世界のマグロ生産量は、1950年代からすでに増加傾向にあり、2003年にピークの224万トンを記録します。その後、世界の生産量は減少するものの、近年は再び増加し、2011年は211万トンを記録しています。一方、日本は、世界有数のマグロ消費大国。自国でも多くの漁獲を行なっているほか、世界中から大量にマグロを輸入しています。日本の消費量は、2003年以降減少傾向にあり、2012年は39万トンと約35%も減少しましたが、それでも世界のマグロの約5分の1を消費しています。
2011年の世界の生産量 =211万トン
日本の生産量 |
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日本の貿易取引量 |
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日本以外での消費量 |
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※出典:FAO FISHSTATおよび財務省貿易統計の2012年データより推計
日本の消費量
日本で主に刺身マグロとして食べられているのは、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなどのマグロ類です。このうち、世界中でツナ缶として缶詰で食べられているキハダとビンナガ以外の3種については、日本の消費量が、特に高い割合を占めています。
世界全体の消費量に占める、日本の消費を見てみると、おおよそ以下のとおりになります。
日本で一番食べられているマグロは?
2011年の1年間に、日本で消費されたマグロを、種別に見てみると、下のグラフのとおりになります。
全体のおよそ30%(およそ12万トン)を占めているのはメバチです。メバチは同時に、刺身や寿司としての消費も多く、その70%以上を占めています。
クロマグロやミナミマグロは、トロが喜ばれる高級なマグロですが、最近の漁業資源の乱獲の影響もあり、流通量は全体の1割程度に過ぎません。
比較的安価なキハダやビンナガは、刺身のほか、ツナ缶としても消費されています。
※出典:FAO FISHSTATおよび財務省貿易統計(調整品は除く)の2012年データより推計
漁獲、輸入、輸出の変化
マグロは日本で昔から食べられていましたが、冷蔵技術がまだ発達していない頃は、マグロを食べることのできる場所や機会が限られていました。産業としての日本のマグロ漁業が発展したのは、第二次世界大戦後、アメリカの缶詰市場に向けた輸出が盛んになってからです。
日本の漁獲量、輸入量、輸出量
出典:FAO FISHSTAT, 財務省貿易統計,貿易統計
今では考えられないことですが、1960年代の日本では、マグロは輸出量が、輸入量を上回っていました。それが、日本の経済成長によって、国内のマグロの消費量が増えてきました。そして、1970 年代になると、輸入と輸出は逆転。特に1980年代半ば以降の円高に伴い輸入が増えるにつれ、国内には安いマグロが大量に流通するようになりました。
そのような中で、最初に資源量が減少してきたのが、トロを多く含むクロマグロとミナミマグロです。この背景としては、トロの需要が急激に高まってきたことがあげられます。