チェック!参院選候補者の地球温暖化への取り組み度
2010/06/24
「MAKE the RULEキャンペーン」では、2010年7月11日の参議院選挙に向け、各候補者に地球温暖化についての意見を問うアンケートを実施。6月23日にその結果を発表しました。地球温暖化問題に対して、あなたの選挙区の候補者がどのような考えを持っているのか? ぜひチェックしてみてください。
未来を選ぶエコ・チェック
間近に迫った参議院選挙。今回の選挙では、121人の国会議員が新しくなります。
WWFジャパンが実行委員として参加している「MAKE the RULE キャンペーン」では、この夏の参議院選挙に向け、インターネット上で「未来を選べ!2 候補者エコ・チェック」を実施。地球温暖化に対する各候補者の考えを明らかにしました。
これは、温室効果ガスの削減目標を定め、温暖化防止のための新しい制度作りを求める「MAKE the RULE キャンペーン」が、有権者にぜひ今回の投票の際の参考にしてもらうため、6月1日からの約2週間に行なったアンケート調査の結果に基づくものです。
MAKE the RULEキャンペーンのサイト
未来を選べ!2
候補者エコ・チェック 小選挙区ごとの候補者の回答をチェック
http://www.maketherule.jp/dr5/votecheck2
このアンケートは、今回出馬する参院選挙候補者(現役議員を含む)、371人に対して行なわれ、6月22日現在で193人からの回答を得ました(今後も継続して回答があった場合には随時更新する予定)。
質問内容は、以下の5つです。
Q:質問事項
- 日本は、世界での温室効果ガス削減のリーダーシップをとるために、率先して2020年25%、2050年80%の温室効果ガス排出の削減をめざすべきと考えますか?
- 日本が低炭素エコノミーを目指し、日本の産業構造を変革し、新たなビジネスや雇用を促進することに対してどのようにお考えですか?
- 削減を促すしくみとして、「キャップ&トレード型の排出量取引制度」「炭素税」「再生可能エネルギーの全量の固定価格買取制度」などをすみやかに導入するべきと思いますか?
- 温暖化対策として、原子力発電は必要だと思いますか?
- 政治家として、地球温暖化問題について優先的に取り組みますか?
今回の選挙が重要である理由
環境問題としては、とりわけ規模の大きい地球温暖化問題は、個人の取り組みだけに頼るだけでは解決できません。社会や経済の制度や仕組みを、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない、つまり石油などの化石燃料に頼らない、新しい構造に作り変えていく必要があります。
そのためには、国として地球温暖化に取り組むための新たな法律を制定し、排出量取引制度のような、CO2の削減を義務付ける政策を導入することが、大きな手立てになります。そしていうまでも無く、政治家はこれを実現する上で、大きな役割を担っている立場にあります。
この夏の参議院選挙は、今後の日本の温暖化対策の基本方針となる「地球温暖化対策基本法」が、未だに成立していない現状の中で行なわれます。
同法の成立のをも左右する今回の選挙で、どの候補者を選ぶかは、私たち自身の未来を選ぶのか、ということでもあるといえるでしょう。
また、一人でも多くの人が、候補者たちに考えを問い、「有権者の多くが地球温暖化問題へしっかり取り組むことを望んでいる」ということを、認識させることにも、大きな意味があります。
MAKE the RULEキャンペーンのサイト
未来を選べ!2候補者エコ・チェック 小選挙区ごとの候補者の回答をチェック
http://www.maketherule.jp/dr5/votecheck2
参考情報:今回のアンケート結果の評価
意識の低さ示す回答率
地球温暖化対策基本法案が国会で議論されているにもかかわらず、アンケートの回答率が全体の半分にしか満たないことは、地球温暖化対策が候補者の間で、充分な政策課題として認識されていないことを示しています。このこと自体は、残念なことです。
8割が温暖化対策の積極的な実施に前向き
しかし、「日本が世界に率先して削減をするべき」と回答した候補者が8割を超え、「キャップ&トレード型の排出量取引制度」「炭素税」「再生可能エネルギーの全量の固定価格買取制度」などを「すみやかに導入するべき」と回答した候補者が7割を超えていることは、心強い点です。この秋以降の国会での議論において、こうした傾向が反映されることを期待したいと思います。
原子力については6割が「廃止」または「疑問」
また原子力発電については、「段階的に廃止すべき」または「必要だが新規増設や稼働率向上に疑問を持っている」と回答した候補者が6割を超えていました。地球温暖化対策基本法案は、現状、原発の新規増設や稼働率の向上を前提にしていますが、この6割という数字が今後、法案の前提を適切に見直す原動力となることを期待します。
政党間の差が明確に
政党間の政策の違いが見えにくくなっている中、「日本は、世界に先駆けて、温室効果ガス排出の2020年25%削減をめざすべきと考えるべき」との回答が9割を超えたのは、民主党、社会民主党、公明党などでした。これらの党は、削減を促すしくみとしての『キャップ&トレード型の排出量取引制度』などをすみやかに導入するべきか、という設問についても、ほぼ6割以上が肯定的な回答をしています。
これに対し、国民新党、自民党、新党改革、たちあがれ日本の約5割の候補者は、「他国の動向をみながらやる方がいい」と回答しました。また、自民党は、『キャップ&トレード型の排出量取引制度』についても、4割が有効性に疑問を持っていると回答しています。