CBD COP10始まる!会議成功の「5つのカギ」


2010年10月11日、名古屋で「生物多様性条約」の第10回締約国会議「COP10」に先立つ、「カルタヘナ議定書」の会議が始まりました。COP10では今後10年間の、世界の環境保全の未来を左右する、大きな話合いが行なわれます。WWFでは、この会議に向け、団体としての見解をまとめ、条約に加盟する各締約国に対して求める5つのポイントを指摘。現地にも各国のスタッフが集まり、会議に参加します。

COP10に、WWFが求める5つのポイント

森林、海洋、湿地などのさまざまな自然、その環境とそこに生きる野生生物が織り成す「生物多様性」は、多くの人々の暮らしを支え、世界経済の基盤になっているものです。

2010年10月18日~29日、名古屋で世界の代表が集まり、この生物多様性の保全を話し合う「生物多様性条約(CBD)」の第10回締約国会議(COP10)が開催されます。

その開催に先立ち、WWFは条約に加盟している各国に対して、COP10で実現すべき、5つの点を指摘しました。

 

  1. 2011年から2020年までに実施される、世界の生物多様性を保全する「新戦略計画」を採択すること
  2. 遺伝資源の利用による利益の、公正な配分と権利を認める「ABS議定書(名古屋議定書)」を採択すること
  3. 生物多様性を保全するため、各国が出し合う資金を増やすこと、また生態系を壊す補助金を廃止すること
  4. 条約が求めている保護地域の作業計画の実施に、各国がより積極的に取り組むこと
  5. 「気候変動枠組み条約」や「砂漠化対処条約」と「生物多様性条約」の連携を強化すること

 

失われた10年、これからの10年

ここでWWFが指摘している内容のほとんどは、「2020年までの目標」として、今回のCOP10の会議で明確にし、各国の政府が取り組むべき内容です。

その背景には、2010年までに世界各国が達成することを目標としていたはずの、生物多様性の保全に向けたさまざまな取り組みが、ほとんど「結果を出せなかった」残念な経緯があります。

2010年のうちに、世界の生物多様性の喪失を止めることはできません。

しかし、上記の約束が確かに交わされるならば、この2010年という「国際生物多様性年」は、世界の国々の政府が、生物多様性の重要性と、そこから人間が受けている福利や社会、経済的な恩恵に、本気で目を向けた年、にできるでしょう。

そして、これから先の10年間、生物多様性条約は、地球環境の保全をリードする国際条約として、より強く、その役割と力を発揮するに違いありません。

WWFでは日本をはじめ各国事務局から集まった数十名のスタッフが、会議開催の期間に、名古屋に乗り込む予定です。現地の様子については、このウェブサイトなどで紹介してゆきます。

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