四国で初!GPSを用いたツキノワグマ調査はじまる


WWFジャパンとNPO法人四国自然史科学研究センターは、共同で実施する「四国地方ツキノワグマ地域個体群絶滅回避のための総合調査」の一環として、GPS(人工衛星を使った全地球測位システム)を用いたツキノワグマの追跡調査を開始しました。GPSによるツキノワグマの詳細な行動調査が実施されるのは、四国では初めてのことです。

推定生息数、十数頭の四国のツキノワグマを追う

四国地方のツキノワグマは、徳島と高知にまたがる剣山山系に、十数頭から数十頭のみ生息していると推定され、環境省によって「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されています。

国内で最も絶滅が危惧されるツキノワグマの地域個体群ですが、これまでに調査された情報などが限られているため、保護のための有効な対策が、十分に取られているとは言い難い状況に置かれています。

四国自然史科学研究センターは、2002年に、ツキノワグマの四国地方地域個体群の生態調査を開始。2005年からはWWFもこの研究を支援し、行動圏や冬眠の実態、そして遺伝子タイプの特殊性などが明らかにされてきました。

2012年7月から始まった「四国地方ツキノワグマ地域個体群絶滅回避のための総合調査」では、より詳細なデータの収集と蓄積をめざし、同時に、クマの主要な食物である堅果類(ブナ、ミズナラ、コナラ)の資源量調査も実施します。こちらも、四国で初めての試みです。

総合調査の予定は4年間。
WWFと四国自然史科学研究センターでは、この調査で得られた情報を中心に、行政当局に対して、ツキノワグマの四国地方地域個体群の絶滅を回避するための具体的な提案・提言を行ない、具体的な保護管理活動を促すことをめざしていきます。

 

記者発表資料

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クマの捕獲用の檻の材料となる「ドラム缶」を背負った四国自然史科学研究センターのスタッフ

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いざ調査地点へ。道なき山中を数時間歩きます。

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標高1000メートル以上のブナ林に檻(おり)を設置。ドラム缶2個をつなぎ合わせ、入り口に開閉式の蓋を取り付けて完成。ここで捕獲したクマに、GPSの発信器を取り付けます。

 

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