岩合光昭写真展「Galapagos Islands」ギャラリートーク開催報告
2016/12/27
2016年12月4日、東京・新宿のオリンパスギャラリー東京で、動物写真家・岩合光昭さんの写真展「Galapagos Islands/絶海に生きる‐ガラパゴス諸島」のギャラリートークが行なわれました。一般の方々、およびWWFジャパン会員の皆さまを迎えて開催されたイベントの様子をお伝えします。
岩合光昭 写真展「Galapagos Islands/絶海に生きる−ガラパゴス諸島」は、2017年オリンパスWWFカレンダーの完成を記念して開催されました。
このカレンダーは、オリンパス株式会社から毎年WWFジャパンに寄贈され、WWFの通信販売「パンダショップ」が販売しているもので、利益は全てWWFの活動に活かされています。
写真展の開催に合わせて、オリンパスギャラリー東京では岩合光昭さんのギャラリートークが行われ、WWFジャパン会員の方もここに招待していただきました。
まずは冒頭で、WWFジャパン コミュニケーションズ&マーケティング室長の渡辺友則より、WWFの活動内容について簡単にご紹介したあと、岩合さんからのお話に移りました。
岩合さんが初めてガラパゴスを訪れたのは、19歳の頃のこと。動物写真家である父・岩合徳光さんの助手を勤めるためだったといいます。当時は住人も観光客も少なく、町には信号機すらなかったとのこと。
野生動物たちは大自然の中で伸び伸びと暮らしており、海を泳いでいた時にアシカが後ろから近寄ってきて、ふいに肩をトントンとたたかれたことを今でもよく覚えているそうです。
写真家を目指すのか、出版社に就職するのか。将来の進路に迷っていたという当時の岩合さんですが、今にして思えば、その頃から動物写真家を意識し始めたのかもしれないと振り返られました。
現在、世界自然遺産でもあるガラパゴス諸島は非常に人気のある観光地で、世界中から大勢の観光客が訪れます。住人も増え、さまざまな理由で環境が悪化したことで、一時はユネスコの「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」にリストアップされたこともありました。
今回の撮影で久しぶりに現地を訪れた岩合さんは、街の発展と人の増加に驚きつつも、それでもまだ大自然の中で多くの野生動物が暮らしている様子を目にして安心したといいます。しかし、環境問題というものは地球規模で起きており、たとえ大丈夫そうに見えても、地球温暖化問題を筆頭に、人の目に見えないところで何らか影響は出ているのかもしれないとも危惧されます。
世界中を飛び回り、さまざまな生き物の姿をカメラに収め続けている岩合さんですが、動物の生命力の力強さを感じると同時に、現在の地球環境の変化は速すぎて、動物たちがそのスピードについていけないのではないかと心配になることもあるそうです。WWFのような団体にも引き続き頑張って活動してほしい、と激励のコメントもいただきました。
会場には60名のファンの方々がお越しになり、皆さん熱心にお話に聞き入っていました。
終了後に行なわれたサイン会も大盛況。参加者のお一人お一人と言葉を交わしながら、丁寧にサインされる岩合さんの姿がとても印象的でした。
長年、この企画を通じてWWFの活動にご協力いただいているオリンパス株式会社と岩合光昭さん、そしてカレンダーをお買い上げいただいている皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。(広報担当 辻紀美代)