2年連続!モンゴルでユキヒョウの密猟ゼロ件を達成


ヒマラヤから中央アジアにかけて連なる険峻な山々に生息する、絶滅危機種のユキヒョウ。

高山帯の生態系の頂点に君臨するこの動物は、実際にその姿が見られることは希で、今も「幻の動物」と言われています。

このユキヒョウの保護について、モンゴルから喜ばしいニュースが飛び込んできました!

保全活動の現場。発信器を使った行動調査も行なわれている

過去2年間、モンゴル国内での密猟をゼロ件に抑えることができた、というものです。

現在の推定個体数は、3,920~6,392頭。

モンゴルには、その全個体数のうち13~22%が生息しているといわれています。

ワシントン条約では商業的な国際取引が禁止されていますが、ユキヒョウが生息する各国では、いまだに美しい毛皮を狙った密猟や、生息環境の悪化が続き、家畜を襲う害獣として殺される例も後を絶ちません。

そうした中で、今回モンゴルで密猟ゼロ件が達成された背景には、政府や保護区の管理者、学生、そして国内外で自然保護に携わる人たちの、連携と協力がありました。

WWFモンゴルのスタッフたちも、生息地での調査やパトロールの支援を行なってきたほか、2015年にはモンゴル警察庁の環境犯罪対策課と覚書を交わし、密猟や野生生物の違法取引への法的措置を強化する取り組みを実施。

2年間にわたる密猟ゼロの達成に尽力しました。

調査用の自動カメラで撮影されたモンゴルのユキヒョウ

WWFモンゴルの担当者は、この件を「モンゴルでのユキヒョウ保全活動の歴史的な出来事」とコメント。

今後の保護活動にも明るい未来を拓くことができたことを喜びました。

ですが、まだ危機が去ったわけではありません。

ユキヒョウを「幻の動物」を本当の幻にしないために、調査や保護区の管理、地域社会への支援、そして地球温暖化対策など国境を超えた活動はこれからも続きます!(広報担当 山本)

関連情報

この記事をシェアする

WWFジャパン ブランド・コミュニケーション室 メディア グループ長
山本 亜沙美

大学時代の専攻していた海洋生物学をきっかけに、絶滅危惧種や環境保全活動に興味を持ち始める。2005年卒業後、米セントラルフロリダ大学院にて生物学を学び、2007年に卒業。卒業後、航空会社にて運行管理のオペレーション業務に携わった後、2010年にWWFジャパン自然保護室アシスタントとして入局。2013年より広報・プレス担当として、取材対応、記者発表などをはじめとしたメディアリレーション、イベント企画・運営などに携わる。2018年7月からメディアグループ長として、広報全般・WWFジャパンのブランドコミュニケーションを担当する。

海洋生物学が専門のリケジョな広報プレス担当です。人の心に響くものはいつの時代も変わらずですが、今は伝える手法が多様化しつつあります。情報のトレンドを追いかけ、常に一歩引いた視点で物事を見るように心がけています。休みがあればスクーバ&スキンダイビングをしにどこかの島に行っています♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP