「2050年の世界」を描く国連の会議
2014/12/06
国連の気候変動会議(COP20)が開かれているペルーのリマより、温暖化担当の小西です。
突然ですが、2050年、今から36年後の未来、私たちはどんな社会で、どんなエネルギーを使い、生活しているか、考えてみたことはありますか?
なぜこんな問いかけをするのか? 実はCOP20では「2050年」のことが、温室効果ガスの長期的な削減目標として話し合われているからなんです。
温室効果ガスは、石油や石炭などの化石燃料の活用に伴って出されるので、温暖化対策とは実はエネルギー対策と同じ。
だから、2050年の温暖化対策を考えるのは、そのままエネルギーを考えることであり、ひいては私たちの生活がどうなっていくかを考えることなのです。
WWFでは、これからは安全で、地球上のどこでも手に入る再生可能な自然エネルギーを中心とした社会へ移行していくべきと考えています。
それが可能であることも、科学的なシミュレーションで示し、報告書を発表してきました。
今回のCOP20でも、WWFを含む世界のNGOは、化石燃料からの転換を促し、「2050年までにエネルギーの100%を再生可能エネルギーでまかなう」という長期目標を、決定案に含めるよう求めています。
そして12月4日には、この長期目標の議論の中で、温暖化の影響を最も強く受けている小さな島国の連合AOSIS(小島嶼国連合)が、交渉グループとして初めて、2050年までの化石燃料の段階的な廃止を支持すると表明!
さらにノルウェーと、温暖化対策に先進的な考えを持つラテンアメリカの6つの国の連合AILACも賛同しました。
900団体にのぼる世界のNGOは、この表明を心から歓迎し、その日の国際交渉の中で最も積極的な姿勢を見せた国を表彰する「本日の宝石賞」を、AOSISに贈りました。
国際交渉の足を引っ張る国に贈られる「化石賞」ばかりが有名ですが、たまにはこんな素敵な表彰もあるんです! もっとこの動きが広がってほしいと、心から願いたいものです。