MSC漁業認証取得に関心のある漁業関係の方へ
2009/09/14
MSCの漁業認証は持続可能で適切に管理され、環境に配慮した漁業を認証する制度です。イギリスに本部のある「海洋管理協議会(MSC:Marine Stewardship Council)」が定める、「持続可能な漁業のための原則と基準」に基づき、漁業を第三者の認証機関が認証し、その水産物にはMSCの認証マークが与えられます。
MSC漁業認証とは?
水産資源の減少・枯渇が問題となる中、水産資源を将来にわたり持続可能に利用するには、水産資源の適切な管理が必要です。
MSCの認証マークが水産物についていれば、適切な資源管理を行っている漁業が、そうでない漁業と区別され、資源管理のための努力を消費者に分かりやすく伝えることができます。
そして、消費者がMSCの認証マークのついた水産物を選ぶことによって、資源や環境に配慮した漁業を支えることにつながるのです。
MSCの漁業認証は、次の3つの原則によって認証が行なわれます。
- 水産資源が適切に管理されている
- 漁業が海洋環境に配慮している
- 規制を守る仕組みがある
何がどう審査されるの?
原則と基準
MSCが定める「持続可能な漁業のための原則と基準」に基づき、漁業が審査されます。
MSCの原則(概要) |
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その他の基準(概略) |
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参考資料:MSC 漁業規準 持続可能な漁業のための原則と基準(MSCのサイトへ:PDF形式)
この原則と基準は、FAO(Food and Agri-culture Organization of the United Nations:国連食糧農業機関)の「責任ある漁業のための行動規範」を基にしています。MSCの漁業認証制度はFAOの「海面漁業により漁獲されたさかな、および、水産物のエコラベリングのためのガイドライン」に準拠した唯一の制度です。
予備審査と本審査
MSCの漁業認証はMSCが認定した第三者の認証機関が行ないます。認証は予備審査と本審査に分かれます。
まず、認証を取得したい団体(申請者)が予備審査を受け、本審査を通過する可能性があるか、本審査を通過するためには何が必要か、などが書かれた報告書を受け取ります。この結果に基づいて、申請者は本審査に進むか、やめるかを決めることができます。この過程は非公開で行われ、予備審査を受けたかどうかは、申請者が自ら公開しない限り、第三者に知られることはありません。
本審査では、資料などを提示し、漁業がMSCの「持続可能な漁業のための原則と基準」の水準に達しているかどうかが専門家によって審査されます。この審査をクリアするとMSCの漁業認証が与えられます。本審査の際に認証機関によって作られる報告書はMSCのホームページで公開されます。
なお、MSCの漁業認証の対象となる漁業は天然の水産資源を漁獲する捕獲漁業のみで養殖業は含まれません。また、海面漁業および内水面漁業両方が認証の対象となります。
認証を受けた漁業は、認証機関による年次監査を受けることになります。また、認証の有効期間は5年で、認証を継続して受けるには5年ごとに審査を受ける必要があります。
MSCの漁業認証にかかる費用
MSCの漁業認証にかかる費用は漁業の規模、認証の対象とする魚種の数などによって異なるので一概にはいえません。まず予備審査を受けることによって、本審査の見積をとることができます。また、同じ漁業でも認証機関によって費用が異なるでしょう。複数の認証機関に見積をとることをお勧めします。
MSC漁業認証についての詳細はMSC日本事務所にお問合せ下さい。
MSC日本事務所
〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町15-12 兜町MOCビル7階
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