「わいるどアカデミー+(ぷらす)」2013年夏休み特別企画 開催報告
2013/09/02
2013年8月3日、WWFジャパン東京事務局で3回目の「わいるどアカデミー+(ぷらす)」(会員のつどい)を実施しました。夏休み特別企画としてシーフードをテーマに実施した今回は、WWFジュニア会員とご家族を中心に、46名の皆さまにご参加いただきました。
サポーターの声を受け、シーフードをテーマに夏休み特別企画を実施!
WWFの職員が日頃の取り組みについてサポーターの皆さまにお話をする「わいるどアカデミー+(ぷらす)」(会員のつどい)。2012年から実施しているこのイベントは、今回で3度目を数えます。
今からちょうど1年前の2012年8月、初めての「わいるどアカデミー+(ぷらす)」を開催しましたが、ご参加者より、夏休み企画も検討したらどうかとの声をいただきました。そこで今回、8月最初の土曜日午後に日時を設定、小学生の皆さんが環境問題について楽しく学べるよう、親子でご参加いただける「夏休み特別企画」を実施しました。
テーマは「ずっとお魚を食べていくために必要なことは? シーフードと海の環境について知ろう!」。お寿司をテーマに、普段わたしたちが口にするシーフードと環境問題について考えるというものです。
寿司ネタを選びながら、海の環境について考える
当日、受け付けを済ませた参加者にはまず、寿司屋に見立てた会場で、天然ものと養殖もの合計14種類のネタから好きな物をひとり5個ずつ選んでいただきました。それぞれのネタには、環境や資源管理などの観点からWWFが独自に設定したポイントが付けられ、ポイントが小さいほど環境や資源にとっては望ましいネタになります。
このポイントにもとづいて、WWFスタッフが参加者の選んだネタの合計ポイントを計算し、「会計伝票」に記入して各参加者にお返ししました。
合計ポイントだけを教えられた皆さん。いったいどんな理由でそのポイントになったのか、それを解説するのが次のプログラムです。
解説では、WWFジャパン水産プロジェクトの担当職員が、皆さんが選んだネタについて、資源の量や環境への影響の程度に応じて赤・青・黄の信号で判定し、その理由を説明しました。
養殖と天然、
どちらが環境にとって望ましい?
養殖した水産物の方が、天然ものより環境に良いと思っている方もいらっしゃったようですが、水産物を過密に養殖することで、餌や排泄物が海の水質を汚染する原因を作ることなど、思わぬ部分で環境への悪影響もあることを、担当職員から説明しました。
一方天然の水産物では、底引き網など漁の仕方によっては海底にすむ生き物やそのすみかが影響を受けること、巻き網など一網打尽に漁獲する漁法では、商品価値の低い生物も一緒にひっかかってしまったり、それらが海に廃棄されてしまうことがあるといった事例を学びました。
網や釣り針にウミガメや水鳥が誤ってかかってしまうことなど、WWFが日頃警告している問題にも改めて焦点が当てられました。
天然か養殖かに関わらず、シーフードを獲るために海洋環境が影響を受け、他の生物が犠牲になっていることも少なくありません。天然・水産、どちらの資源が環境にとって望ましいかは、一概には言えないことをご理解いただきました。
普段何気なく食べているシーフードがどこでどのように獲られているか、そこにはどのような問題がひそんでいるのか、小学生の皆さんはもちろん、大人の方にとっても初めて知る話が次々紹介され、皆さん熱心にメモを取っていらっしゃいました。
解説の後に参加者の皆さんは、2度目のネタ選びに臨みました。今度は自分で計算できるよう、各ネタのポイントを明記した「会計伝票」を受け取ってもらいました。計算の結果、多くの皆さんが、1回目よりも低い合計ポイントになったようです。
参加者から大きな反響!
最後に、質疑応答の時間を設けましたが、お子様はもちろん、大人の方からも多くの質問が出、関心の高さをうかがわせました。
ご参加いただいた皆さんの感想を、いくつかご紹介します。
「養殖のことなど、知らなかったことを色々教えてもらえて、とても面白かったです。養殖の魚の方が、ポイントが高いのにビックリしました」(東京都:11歳)
「お刺身が大好きです。いつも食べているエビとか、ポイントが高くてビックリしました」(神奈川県:10歳)
「海の環境がすごく荒れていることを知りました。青・赤・黄の信号で、シーフードの危機を説明してくれたのがわかりやすかったです」(神奈川県:12歳)
親子で参加いただける「わいるどアカデミー+(ぷらす)」は初の試みでしたが、多くの皆さまに積極的にご参加いただきました。ご家族一緒に楽しんでいただき、大人の方にも興味を持っていただけたようです。
「わいるどアカデミー+(ぷらす)」は不定期ではありますが、今後も継続する予定です。また今回の結果をふまえ、環境問題について、年齢を問わず楽しんで学べるような企画も検討してゆきたいと考えています。
今回残念ながらご参加できなかった皆さまも、次回のご参加をお待ちしています。
「わいるどアカデミーぷらす」で使用した「寿司ガイド」は、スマートフォンでご覧いただけます。
ぜひご利用ください。
持続可能な養殖業など、東日本大震災の被災地復興を支援するプロジェクトを実施しています。
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