大きく育て、ヒョウの森!ボランティアが植えた3万本


※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。

こんにちは。森林担当の古澤です。
極東ロシアの森で今、ある木を守り育てる活動が行なわれています。

その木の名は「チョウセンゴヨウ」(朝鮮五葉)。日本では「紅松」とも呼ばれるマツの一種です。
毎年秋になるとチョウセンゴヨウは、大人のゲンコツを二つ積み上げたくらいの、大きな「松ぼっくり」を実らせます。

これには、「松の実」で知られる栄養価の高い実がどっさり入っていて、冬を前にした野生動物たちの貴重な栄養源になっています。

もちろん、その恵みは、実を直接食べる動物だけでなく、草食動物を食べるアムールヒョウやシベリアトラにも欠かせません。チョウセンゴヨウは、極東ロシアの森の生態系を支える、大切な木なのです。

でも、この木は木材としても高く売れるため、これまで多くが伐られてしまいました。森の豊かさが損なわれ、野生動物や「松の実」を収穫している地域の人の暮らしにも影響が及んでいます。

そんな中で、極東ロシアの沿海地域(プリモルスキー)で今年、「チョウセンゴヨウの日」という新しい記念日ができました。この木を守り、森を守ろう!という日です。

アムールヒョウも生息するある森では、当日ロシア中から200人のボランティアが集合。チョウセンゴヨウの植林に汗を流しました。
植えた苗は、なんと3万本!

私が4月にロシアに行った時は、まだ参加者が少なくて、呼びかけをしていたWWFロシアのスタッフが「大丈夫かな~」って心配していたのですが、どうやら大成功だったようです。

ヒョウの森を支える木を守り、育てるこの取り組み。今年だけでなく、来年も続くとのことです。いつか、日本からも参加できたら面白いかもしれませんね。

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チョウセンゴヨウの松ぼっくり。大きくて松の実がぎっしり詰まっています。

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幹は太く、まっすぐに育ちます。
まさに、森を支えている大黒柱です。

 

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自然保護室(森林グループ所兼 マーケットグループ長)
古澤 千明

大学卒業後、民間金融企業での勤務を経てWWFジャパンに入局。2010年より主に東南アジアの森林保全プロジェクトを担当。インドネシアやメコン地域などのWWFオフィスとも連携しながら、森林減少の要因となっている農林産物の生産について、関係企業に生産現場の課題を伝えたり、調達改善のための支援に取り組む。2021年からは、マーケットグループ長も兼任し、森林保全の枠を越えて企業のサステナビリティの向上に努める。

幼いころから自然や生き物への興味はありましたが、WWFとの出会いは偶然でした。自然科学や生物のスペシャリストではない自分だからこそ、得られる理解・賛同もあると信じつつ、そうは言っても日々勉強です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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