【動画あり】COP24現地発信!12月13日 閣僚級会合
2018/12/14
ポーランドのカトヴィツェで開催されている国連の気候変動に関する会議COP24は終盤を迎え、12日から閣僚級会合が行なわれています。
この会議の最大の課題は、すべての国が参加する地球温暖化の国際枠組み「パリ協定」を2020年から始動させるためのルールブック(実施指針)を策定することです。
その議論の土台となる合意文書の草案には、先進国と途上国の意見の対立が反映されたままです。そのため、争点となっている議題ごとに、2人の大臣が調整役に任命され、各国の意見を集約して妥協点を見出すべく、粘り強い交渉が続けられています。
13日夕方に開催された中間報告会合では、ほとんどの議題をめぐって今なお紛糾していることが報告されました。そのためクリティカ議長は、各国政府が対立を乗り超えて着地点を見出すために最大限の努力をするよう、強く求めました。
一方、COP24のもうひとつの成果となるべき、2020年までの各国の削減目標の引き上げをめぐっては、12日の夜にさまざまな動きがありました。
EU加盟国・小島嶼国家連合・後発開発途上国から成る「高い野心連合」が、「2020年までに削減目標を引き上げる」と強い意思を表明し、他の国々や非国家アクターに対して同様の引き上げを求める声明を発表したのです。
3年前のCOP21でパリ協定を成立させる推進力となったこの「高い野心連合」が、会議の最終局面でふたたび動き出したことで、停滞している交渉にはずみがつくことが期待されます。
「3人の孫たちにも、他の誰にも、私たちの失敗のために苦しめたくない。もし深刻な気候変動が私たちから彼らへの遺産になるなら、彼らは私たちを許さないだろう」
国連のグテーレス事務総長のこの言葉は、COP24が世界のゆくえを決める転換点であることを告げています。その決断する立場にある各国の閣僚には、歴史の審判に堪えられる決断が求められています。(自然保護室 小西)