【関連情報】APRIL社が持続可能性の新方針に違反


北カリマンタンで泥炭地の自然林皆伐を継続

サマリンダ、インドネシア(2014年 5月20日)-カリマンタン(ボルネオ島インドネシア領)の複数のNGOは、APRIL社の木材サプライヤーであるPT. Adindo Hutani Lestari(以下、AHL社)に対し、北カリマンタンのタナ・ティドゥンにおける自然林皆伐の即時停止を求めている。

GAPETAボルネオとカリマンタンで森林モニタリングを行うNGOの連合体、RPHKとWWFインドネシア東カリマンタンは、 2014年1月にAPRIL社が「持続可能な森林管理方針」の発表後も、AHL社が保護されるべき泥炭地での自然林皆伐を続けていることを明らかにし、5月20日付で新たな共同報告書を発表した。APRIL社の要請によって行われたアセスメントによって「保護価値の高い」と評価された森林さえも皆伐した。

GAPETAボルネオの代表カミルディン氏は、「APRIL社の持続可能性の誓約は書面上のもので、森林の現場では実行されていないようだ」 と述べた。「炭素放出を含む深刻な環境被害を引き起こす森林破壊や泥炭地の運河掘削を停止すべきだ。法的に保護される深い泥炭地での森林伐採も停止すべきである。」

泥炭土壌には膨大な量の炭素が含まれているが、排水され自然林伐採や植林地開発が進めば空気中に放出され始める。また排水により乾燥した泥炭地は火災が起こりやすい。

RPHKのスルハニ氏は、「APRIL社は、地元のステークホルダーの懸念に耳を傾け、カリマンタン地域の自然林皆伐とオランウータン生息地破壊を停止する時である」と述べた。 「APRILは、持続可能になるという自身の誓約を守り、自らで『保護価値が高い』と評価し、保護するとした森林の伐採を絶対に停止すべきだ」

WWFインドネシアの森林担当、シャライニ氏は、「これらの事実により、 APRIL社が持続可能性への誓約の実施において真摯さを欠いているという疑う余地のない事実が確認された。我々は、彼らの『持続可能な森林管理方針』を一層疑問視する。APRIL社の疑わしい保護価値の高さを測るアセスメントが、本来『保護価値が高い』と評価されるべき森林の大部分の伐採を許しただけでなく、自らで『保護価値が高い』と評価したわずかな森林も皆伐していた」と述べた。

WWFは、APRIL社に対し、特に「保護価値が高い」と評価された森林伐採を停止し、「持続可能な森林管理方針」遵守の徹底を強く要請した。

これまでNGOは数多くのAPRILサプライヤーが「保護価値の高い森林」の保全に失敗してきた過ちを批判し、そのためにAPRIL社は2010年にFSCのCoC認証を失っている。 WWFは、APRIL社に対し直ちに全ての自然林皆伐と泥炭地開発を停止し、このような行為が許されることのないよう、まず「持続可能な森林管理方針」の向上を求めた。

AHL社のセサヤップ地区の伐採許可地は、今も良好な状態の広大な自然林が残り、その大部分は泥炭地である。NGO連合は、APRIL社を所有するロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループおよびAPRIL社に対し、「保護価値の高さ」を測るアセスメントを既に依頼していたとしても、直ちに同社のサプライヤーが保有する全ての伐採許可地における森林皆伐の一時停止を開始するよう求めた。またNGOはAPRIL社に対し、HCVリソースネットワークによって実施及び査読される適切なアセスメントと、同社がこれ以上の森林破壊を確実に引き起こさないために、独立した第三者による炭素蓄積量の調査及び泥炭地アセスメントを行うよう求めた。

GAPETAボルネオ及びWWFインドネシアも含めたRPHKは、紙パルプ購入者に対し、ロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループとAPRIL社が「持続可能な森林管理方針」を改善し、信頼できる独立した第三者の監査によってその実施が確認されるまでは同社との取引を控えるよう求めた。

東、北及び西カリマンタン地域におけるNGOアライアンスは、 APRILと関連会社の操業のモニタリングを継続し、ステークホルダーに情報を提供する。

原文はこちら(PDF)

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