環境保全のための行動変容コミュニケーション「SAVE NATURE PLEASE」環境保全のための行動変容コミュニケーション「SAVE NATURE PLEASE」

Our Message

私たちは、WWFが目指す「人と自然が調和して生きられる未来」のために、ターゲットの行動変容にフォーカスし、行動科学の知見と手法を用いたコミュニケーションを実践するチームです。人の行動がさまざまな環境問題を生み出している一方、解決に向けた力を持つのもまた人間の行動です。"Together Possible"のスローガンのもと、広告代理店、行動科学の専門家、メディアの皆さまなど、私たちと一緒にコミュニケーションを構築してくださる仲間を求めています。

WWF Japanのスタッフ ソーシャルモビライゼーション
Why behavior change

なぜ行動変容に
こだわるのか?

街中

© Susetta Bozzi

長い間、環境保全行動を促進するための取り組みとしては、普及啓発や情報キャンペーン、環境教育が主流でした。その背景には、人々が自分の行動が引き起こす損害を知り、気にかけるようになれば、彼らの行動は変わるだろうという仮定があります。

しかし、環境問題に関する知識と行動との間には限られた関係しかなく、ギャップがあることが研究で示されています。人の意思決定は、意識的で合理的な思考のみに基づくものではなく、感情的で、自発的で、直感的で、社会生態学的な環境に影響されるのが実態です。行動科学は、人がどのように意思決定を行なうのか、たとえそれが間違っていると理解している場合でさえも、なぜそのような行動を取るのかを紐解いています。

以上のことから、これまでの方法にとらわれず、人々の行動につながるドライバーを理解し、介入策を設計することが必要です。以下に紹介するWWFの「SAVE NATURE PLEASE」は、効果的な行動変容キャンペーンをデザインしようとする人への手引きとして、2020年11月に発行されました。このような、科学的知見を活用し人々のソーシャルグッドな行動を促す領域は、米国ホワイトハウスに専門チームが設置されたり、ユニセフが「Social and Behaviour Change」というガイダンスを公開したりするなど、世界的にも注目が高まりつつあります。

WWF Japanのスタッフ ソーシャルモビライゼーション

実践的フレームワーク
SAVE NATURE PLEASE

「SAVE NATURE PLEASE」は、行動科学の基本をできるだけ分かりやすく提示し、コミュニケーションキャンペーンから市民やコミュニティのエンゲージメントまで、より効果的な介入をサポートできるよう設計した、3つのステップからなる実践的フレームワークです。
2022年現在、国連の実務者向け行動科学入門ガイドやイギリスの有名大学の教材などでも紹介されています。

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step 1 SAVE

行動変容戦略と
介入の開発

ステップ1「SAVE」では、行動変容の戦略と介入を開発するための本質的な基盤として、調査、根拠集めを行い、問題と目標、対象者、望ましい未来を理解することを説明しています。

scope
audiences
vision
engage

SCOPE:問題と目標を定義する

AUDIENCE:対象者と行動を理解する

VISION:望ましい未来を描く

ENGAGE:根拠の構築に関与する

NATURE

介入を行うための原則

ステップ2「NATURE」では、社会規範、適時性、文脈、インセンティブなど、介入の実施において考慮すべき重要な行動原則について説明しています。

nomal
attractive
timely
uncover
rewarding
easy
rewarding
easy

NORMAL:規範:社会的アイデンティティが肝要

ATTRACTIVE:魅力的にする

TIMELY:戦略的なタイミングで介入を目指す

UNCOVER:隠されているものを発見する

REWARDING:満足感があり、行動学に基づいたインセンティブ

EASY:簡単にする

PLEASE

介入の測定と拡大

ステップ3「PLEASE」では、パイロット、成功の測定、適応と改善、コラボレーションによるインパクトの拡大について説明しています。

pilot
learn
evaluate
adapt
scale
empower
scale
empower

PIROT:パイロットする

LEARN:未来のための教訓を特定する

EVALUATE:結果とプロセスを評価する

ADAPT:調整する

SCALE:規模を拡大する

EMPOWER:協力者に権限を与える

各ステップは、
「SAVE NATURE PLEASE」の中で、
事例や推奨ツールの紹介とともに
詳細に説明されています。
ご興味のある方は
ぜひダウンロードください。

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Behavior change cases

WWFが行なった
行動変容に関連する
事例をご紹介します。

[ キャンペーンサイト ]
https://www.wwf.or.jp/staffblog/news/4227.html

Travel Ivory Free

2020 WWF (中国)

行動変容のための原則

有名人やオピニオンリーダーを使って、好ましい行動のモデルを作る。

東南アジアの人気観光地を訪れる中国人旅行者に焦点を当て、「春節」などタイミングよくポスターを掲示。

インパクト

旅行時に象牙製品を買わないことを約束する中国人旅行者の誓約が340万件集まる

事例詳細

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[ キャンペーンサイト ]https://www.wwf.or.jp/campaign/mirai47kei/
[ 受賞歴 ]電通広告賞銀賞

気候危機で地元どうなる?未来47景

2021 WWF (日本)
事例をPDFでダウンロードする

行動変容のための原則

地元愛に着目。ブリティッシュコロンビア州の調査では、気候変動の地域的影響に関するメッセージに加え、場所への強い愛着があれば、行動につながる可能性が最も高いことが示されました。

豪雨災害や猛暑を実感する梅雨から夏にかけてキャンペーンを開始し、温暖化の影響が腹落ちしやすいタイミングを意識しました。

インパクト

公開から1年で37万回シェア

事例詳細

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[ キャンペーンサイト ]
https://www.wwf.or.jp/campaign/uranokao/
[ 受賞歴 ]JPMプランニング・ソリューション・アワード2023 社会貢献プロモーション企画 銀賞 / PRアワード2023 ブロンズ賞

飼育員さんだけが知ってる
あのペットのウラのカオ

2022 WWF (日本)
事例をPDFでダウンロードする

行動変容のための原則

動物園の協力のもと、思わず見たくなるようなビジュアルと動物の生態や習性を切り口にコンテンツを制作。また「#ペットにしても幸せにできない動物」のツイート投稿を、認定と特典を活用し、広く呼びかけることで、社会規範の醸成を目指しました。

インパクト

計測中

事例詳細

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[ キャンペーンサイト ]https://www.wwf.or.jp/campaign/rainforest…
[ 受賞歴 ]第15回 読者が選ぶ東京新聞広告賞「社会・インフラの部」受賞

ARでうごく!熱帯林の野生動物オリガミ

2023 WWF (日本)
事例をPDFでダウンロードする

行動変容のための原則

折り紙×AR技術をかけ合わせて、手軽に、楽しくできるコンテンツを開発。

子どもと一緒に学ぶことができ、エモーションに訴える内容を訴求。

「認証製品を選ぶ」という生活の導線上でできるアクションを促す。

インパクト

  • 上野動物園で親子体験イベントを実施し、理解を促進。イベントの様子は、80以上のWEB媒体に掲載。
  • 定性調査を実施した結果、コンテンツ体験前後で対象者全員の認証製品の購買意向が高まる。

事例詳細

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[ キャンペーンサイト ]
https://www.wwf.or.jp/campaign/comic/

マンガで感じる生物多様性
「コミック・ダイバース(COMIC DIVERSE)」

2024 日本

行動変容のための原則

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日本が誇る文化であるマンガをタッチポイントにし、老若男女、幅広い層に「生物多様性の保全・回復」への関心を向けてもらうことを意図しました。多彩な表現が行なわれるマンガには、生物多様性の本質を捉え、表現する作品も少なくありません。生物多様性を新しい概念としてではなく、マンガを通じて昔から描かれてきたものとして紹介しました。作品に描かれる作家の鋭い視点は、生物多様性の豊かさがもたらす日常の魅力、そして損失による悲しい状況を捉えてきましたが、こうした自然や生きものに対する感情の揺れ動きを、イメージとストーリーをもって共感してもらうことを目指しました。

インパクト

計測中

事例詳細

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[ キャンペーンサイト ]
https://www.wwf.or.jp/campaign/shoppingbasketvoting/

どっちがいい?
返却ついでに、未来に一票。買い物カゴ投票

2024 日本

行動変容のための原則

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生活導線上で簡単に意思表示ができる

attractive

キャッチーなデザインと「声が届く」という自己効力感

nomal

「みんなで変えていく」という社会的参画感、「声を聞いてくれる」という信頼感

インパクト

計測中

事例詳細

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Voices

事例を一緒に
制作いただいた
クリエイティブの
皆さんからの
声を紹介します。

Q: 行動変容を促す「健康」切り口のアイデアをどう生み出しましたか?

人々に行動を起こしてもらうには、それが「自分」にどんな影響を与えるのか、個人的で親近感のわくものにしなければならないと考えました。プラスチックは分解されるまでに何百年もかかり、肉眼では見えないマイクロプラスチックに変化します。つまり、水や食べ物、呼吸する空気にまで、プラスチックが入り込むのです。この 「プラスチックを自分たちが消費している以上、この問題を無視することはできない。」という切り口が、クリエイティブなアイデアを解き放ち、環境問題から個人の健康危機として、より緊急に行動を起こさなければならないものに変化しました。

Graham Drew CCO Grey Malaysia - Your Plastic Diet

Q: クリエイティブを見た一般の方々が自分もやってみたくなったり、ソーシャル上で広まっていくコンテンツにするために工夫したことは何ですか?

地球温暖化の問題は、教育文脈では耳馴染みがありますが、日常的に意識することはなかなか難しい問題です。一方で、日本人は故郷の方言や地域の名産、地域別のゆるキャラなど、地元への愛着が強い国民性があります。そんな誰しもがもっている地元愛や郷土愛に着目し、地球規模の問題と掛け算しました。「かけがえのない地元の風景が近い将来姿を変えてしまうかも!?」という想像を掻き立てるビジュアルを47都道府県ごとに開発することで、自分ごと化を促し、身近な人にもシェアしたくなるバイラル施策を目指しました。

RABBIT inc. クリエイティブディレクター 増田総成さん - 未来47景

Q: 普及啓発にとどまらず、実際に態度や行動を変えるコミュニケーションを設計するために、大切にしたことは何ですか?

ターゲットのインサイト分析を大切にしました。ソーシャルリスニングやインタビューから、飼うことを否定するメッセージは、反発を生む可能性が大きいことが分かり、「自ら気づく仕掛け作り」を行動変容のポイントとして設計しました。動画コンテンツは「ウラのカオが見られます」という見たくなるような入口とビジュアル、「飼うのは良くないかも」と自ら気づいてもらえるよう中身を設計。ハッシュタグも、否定言葉は用いず「#ペットにしても幸せにできない動物」とし、ターゲットの倫理や感情に訴えかけるアプローチにしました。

博報堂ケトル PRディレクター/クリエイティブディレクター 小西洋平さん - 飼育員さんだけが知ってるあのペットのウラのカオ

私たちと一緒に
コミュニケーションを
構築して
くださる
仲間を求めています。

WWFジャパンソーシャルモビライゼーショングループ

人と自然が調和して生きられる未来のために、広告代理店、行動科学の専門家、メディアの皆さまなど、私たちと一緒にコミュニケーションを構築してくださる仲間を求めています。SDGsやサステナビリティにご関心をお持ちの方で、スキルを環境保全活動に活かしたいと思ったら、まずは30分ほどお話ししませんか?

お名前、ご所属、メールアドレス、ご自身またはご所属先の事例紹介、問合せ内容を記入して、件名に「キャンペーン担当宛」と明記してご送信ください。

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