トラたちの未来が
明るいものであるように
願いをこめて。
© National Geographic Stock / Michael Nichols / WWF
© Adam Oswell / WWF-Thailand
© WWF-Indonesia / Tiger Survey Team
弾けるように
駆けまわる仔トラたち。
全身から、生きる喜びが
ほとばしるかのようです。
どうか、この仔たちが生きていく先で、
密猟に遭ったりしませんように。
十分な食べものに恵まれますように。
人里にさまよい出たりしませんように。
大規模な山火事が起きませんように。
生まれ育った森が、
いつまでもそこにありますように。
©Richard Barrett / WWF-UK
トラが減り続けてきた
2つの原因
● 生息の可能性はあるが、詳細は不明のエリア
● 現在の分布域
<森林減少と密猟>
1900年代初頭には、
約10万頭いたといわれるトラ。
2010年の時点での推定個体数は、
わずか約3,200頭にすぎません。
これほど急激に減ってしまった
原因は大きく2つ。
森の減少と、乱獲・密猟です。
100年間で、トラがすむ森は
95%も失われてきました。
その中で、バリトラ、ジャワトラ、
カスピトラの3亜種が絶滅。
中国の亜種アモイトラも、
ほぼ絶滅したとみられています。
絡み合うさまざまな影響
近年では、木材や紙、天然ゴム、
パーム油(植物油)などを
生産するための開発が、
森林減少の最大の要因となっています。
森林火災の影響も小さくなく、
これには地球温暖化も関係しています。
また、森林減少が進むと
交通事故や密猟が起きやすくなり、
さらには家畜の病気が
野生の草食動物に感染し、
トラの獲物となる動物が
減ってしまうといった影響も出てきます。
減少の100年から、
回復の100年へ
世界でめざす、トラの回復
保護区の拡充や、密猟・違法取引の取締り
強化には「国」の力が必要です。
トラが生息する国々の政府は
「2022年ま
でに野生のトラの個体数を
2倍にする
(3,200頭から6,000頭以上へ)」
という国際目標に合意。
WWFは、この目標が実際に達成されるよう
協力しています。
ロシアやネパール、ブータンなどでは個体
数が回復傾向に。
一方で、東南アジアでは、今も減少が続い
ています。
密猟や違法取引を
なくすために
滋養強壮の伝統薬として人気の虎骨をはじめ、
トラに関連する違法な取引は、
アジア諸国を中心に今も続いています。
WWFは、野生生物の違法取引
(IWT-
Illeagal Wildlife Trade)の
撲滅をめざす
活動ネットワーク拠点「IWT Hub」を設置。
運輸、金融、eコマース(電子商取引)に携わ
るセクターや、
税関、警察などとの連携を
進めています。
©Nitish Madan / WWF-International
保護区以外の森も守る
トラの生存を支えているのは
保護区の森だけではありません。
人が生産活動を行なう森でも、
草食動物など
が暮らせる場所を確保するなどの
配慮が重要です。
こうした森は、トラと人里を隔てる
「緩衝地帯」にもなります。
トラが暮らしていける豊かな森を守ることは、
トラ以外の森の生きものや、
人を守ることでもあるのです。
日本に求められる大きな役割
森の減少をくいとめるには、
木材や紙、
パーム油、天然ゴムなどの生産を、
環境に配慮したやり方に改善していくことが
欠かせず、
その実現には、それらを消費
する側の力も欠かせません。
トラのすむ国から、農産物や林産物を調達
している日本の企業や、
それを購入する
消費者が、
森林保全に配慮して生産された
ものを選ぶことは、
トラの森を守る重要な
カギなのです。
©Nitish Madan / WWF-International
ぜひ、ご支援ください!
WWFジャパンは、極東ロシア、タイ、
ミャンマー、インドネシアのスマトラ島で、
トラとトラがすむ森の保全に取り組んでいます。
また、国際取引や日本の消費に
関する活動も行なっています。
ぜひご支援くださいますよう、
お願いいたします。
生息状況の調査
個体数や生息範囲など、活動の基盤となるデータの収集
森林火災対策
防火帯の整備、発生の監視、消火活動の支援など
違法行為の監視
密猟や違法な伐採・開墾などのパトロール活動の支援
密猟ワナの撤去
狩猟が禁止された場所で発見されたワナの撤去
森林の再生
火災や違法な開墾などで失われた森の再生
負傷したトラの
救護支援
ワナにかかるなどして負傷したトラの救護と治療
野生復帰
負傷したり人里に出てきたりしたトラの野生復帰
環境に配慮した生産と
消費の推進
FSC®やRSPOなど森林保全に関連する認証制度の普及
(FSC®️N002174)
違法取引の防止
密輸の監視、法律の改善や執行体制強化の支援
© Neil Ever Osborne / WWF-US
人と自然が調和して
生きられる未来を目指して
WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。