東日本大震災から5年 これからの未来に向けて


WWFジャパン事務局長の筒井です。
今日で、東日本大震災から5年が経ちました。

本日あらためて、被災された皆さまと、犠牲になられた方々のご親族の皆さまに対し、心からお見舞いを申し上げます。

5年という期間は、何事においても節目とされる一つの区切りですが、今、被災地の現状と、日本のあり方を見つめた時、いまだ解決できていない問題や、道半ばの物事が多くあることを、強く感じずにはいられません。

さらに、この5年の間、世界の各地では数々の災害が発生したほか、少なからぬ地域で予期しない武力紛争が生じました。いずれも、人の暮らしを、そして野生生物や自然環境を大きく損なう、深刻な問題です。

また、シリア内戦の背景には多年にわたる大干ばつがあったことでも知られる通り、地球温暖化のような環境破壊が、世界の脅威をさらに大きくする例も認められています。

私たち人類は、どのようにこの一つの地球の中で、人同士、また自然と共生、共存してゆくべきなのか。これほどに厳しく問われたことは、過去にないのではないでしょうか。

それでも、そうした厳しさのさなかには、確かな希望も見えています。

被災地、宮城県南三陸町の海では、いよいよ「ASC認証」の取得が、現実のものになろうとしています。

ASC認証は、環境に配慮した持続可能な養殖だけが取得できる、国際的な信頼のあるエコラベルの一種で、地元では多くの困難が伴うこの認証取得を、地場産業である漁業復興の一つの目標として、地道な取り組みを続けてこられました。

それは、漁業を単に震災前の形に戻すのではなく、海の自然との真の共存を目指し、新たに生まれ変わらせる快挙に他なりません。

この5年間、「被災地復興につながる環境保全」を目指し、この取り組みを陰ながら支援してきた私たちWWFジャパンにとっても、これは活動の嬉しい成果であり、希望となりました。

エネルギー問題と国内の温暖化対策については、福島原発の事故があったにもかかわらず、残念ながら抜本的な政策の転換は、今のところ実現できていません。

原発の拙速な再稼動を推し進め、将来においても原発と石炭への依存を続けようとする政府の姿勢には大きな懸念を抱いておりますが、そのような中、先日の高浜原発をめぐる判決は一つの節目となることを期待しています。

また、私たちWWFも参加した、昨年末のパリでの国連会議「COP21」では、より強力な温暖化防止に向けた世界の意志が示され、脱炭素社会に向けたエネルギー政策は大きな転換点を迎えることになりました。

この新たな国際社会の潮流を、気候変動の脅威を抑え、日本を持続可能に成長させてゆく機会としてゆくことは、震災後の未来に向け私たちに課せられた大きな使命と考えております。

私はこの5年、さまざまな難局を勇気を持って乗り越えてこられた、南三陸をはじめとする被災地の皆さま、そしてそれを支えてこられた多くの皆さまのつながりが、これからの5年、さらにその先にある被災地と地球の未来を創ると信じてやみません。

WWFもまた、そうしたつながりの一端を確かに担いながら、歩みを止めることなく、前に進み続けてゆきたいと思います。

日頃より、WWFの取り組みをご理解、ご支援くださっている会員、寄付者の皆さまには、この場をお借りしてあらためてお礼を申し上げますとともに、ぜひこれからも、私たちと共に歩んでいただければ幸いです。



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