黄海エコリージョンの支援について
中国、韓国、北朝鮮に囲まれた、広大な大陸棚を持つ東アジアの海、黄海。この黄海沿岸の環境と水産資源を保全するため、WWFでは中国、韓国の関係者・研究者と協力し、その活動の基礎となる「黄海エコリージョン優先保全地域マップ」を作成しました。これを基に、中国および韓国において、沿岸地域の地元住民の方々や市民団体による、黄海の生物多様性を保全する活動の支援と推進を行ないました。
支援者 | パナソニック株式会社 |
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期間 | 2007年~2014年(終了) |
支援総額 | 約1億7,000万円(7年間) |
プロジェクト概要
中国と朝鮮半島に囲まれた黄海は、約46万平方キロ、太平洋・インド洋を代表する大陸棚を持つ、豊富な漁業資源に恵まれた海です。また、沿岸域に広がる広大な干潟や岩礁には、渡り鳥やアザラシなど多くの野生生物が生息、世界的にも貴重な自然環境が残る場所です。
しかし一方で、自然環境の悪化も続いています。中国では1950年当時と比べ、干潟が約37%も減少。韓国の沿岸でも1917年以降、43%の干潟が失われました。主因は、沿岸域の開発に伴う、埋立や干拓、そして養殖産業の拡大などです。
また、過剰な漁獲による漁業資源の枯渇や汚染も深刻です。
黄海沿岸では昔から、地域の暮らしが漁業によって支えられてきましたが、漁獲や養殖の規模は、年々拡大しており、海岸での塩田開発も盛んになっています。こうした経済発展の激化が、資源の適切な管理と利用を難しくしています。
日本は、水産資源の多くを黄海から輸入する国の一つ。日本の暮らしは、この海の自然環境の悪化とも無関係ではありません。
さらに、日本では、環境保全や資源回復に向けて、地域住民や事業者、行政、研究機関が連携した取り組みが、すでに各地で行なわれており、WWFジャパンもこれまでに、九州や沖縄で地域の関係者との協力のもと、さまざまな環境保全活動を展開してきました。
「黄海エコリージョン支援プロジェクト」は、その実績を踏まえ、WWFジャパンとWWF中国、KOIST(韓国海洋科学技術院;Korea Institute of Ocean Science and Technology)による国際協力のもと、地元住民が中心となって黄海沿岸の環境保全を推進するプロジェクトです。
さまざまな関係者が協力し、海洋資源の持続利用と環境保全の両立を目指す、この先進的な取り組みは、中国、韓国との縁が深く、また、ビジネスだけでなく、市民レベルの交流に関心が高いパナソニック株式会社による、7年にわたる長期的なご支援により実現しました。
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