公文教育研究会が「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム」に参画
2018/10/30
2018年10月30日、「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム(CSPU: Consortium for Sustainable Paper Use)」に、株式会社公文教育研究会が新たに参画しました。CSPUは、2013年11月に紙の利用について先進的な取組みを行なう企業5社と株式会社レスポンスアビリティ、WWFジャパンが、環境や地域社会に配慮した紙の利用が社会全体で拡大、浸透することを目指し立ち上げたものです。以降、4社が新たに参画し、今回の公文教育研究会の参画により、計12の企業・団体での取り組みとなりました。
参画企業(2018年10月時点、50音順)
味の素株式会社、イオン株式会社、花王株式会社、カシオ計算機株式会社、株式会社公文教育研究会、キリンホールディングス株式会社、JSR株式会社、ソニー株式会社、株式会社ニコン、三井住友信託銀行株式会社
運営アドバイザー:株式会社レスポンスアビリティ
「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム(CSPU)」とは
どんなにペーパーレス化が進んでもゼロにはならない紙利用。とりわけ物やサービスを提供する企業にとっては、紙パッケージや製品カタログなどの販促資材、会社案内や持続可能性に関する報告書、コピー用紙などの主にオフィスで使用される使われる紙まで、多種多様な紙製品が今も必要とされています。
WWFは紙の持続可能な利用に関して、無駄な消費はもちろん減らしてゆく一方、使用量の削減だけを目指すのではなく、森林の環境に対し、どのような負荷、もしくは配慮のもとで生産された紙を使うか、紙の選び方が重要と考えます。
実際、自然林の破壊と紙の生産には、深いつながりがあります。
例えば、世界的にも稀な自然の熱帯林とトラやゾウなどの絶滅に瀕する野生生物が生息するインドネシアでは、自然林の減少が長年の課題となっていますが、この要因の一つに紙パルプの生産があります。
しかしその一方で、再生紙やFSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)のような信頼できる森林認証制度によって、環境面・社会面での配慮が認められた森林や林産物もあり、その供給量は増え続けています。
「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム(CSPU: Consortium for Sustainable Paper Use)」は、そのような持続可能な紙の利用を実践する企業によって2013年に立ち上げられました。
これは、自社が紙を生産・販売する立場になくとも、責任ある調達に対する社会的ニーズ、企業としての社会的責任(CSR)、リスクを回避する安定的な調達などの観点から、持続可能な紙の利用に取り組む企業の集まりです。
CSPUに参画する企業は、本コンソーシアムの紙利用に関する基本的な考え方に沿った紙調達方針を策定・公表し、それを運用することが求められます。より消費者に近い立場にある影響力ある企業が、環境や社会に配慮した紙調達を行うことで、最終的に紙製品を手にする消費者はもちろん、サプライチェーンの上流の事業者に対しても持続可能な紙利用を広めることをCSPUは目指しています。
「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム」の紙利用に関する基本的な考え方
・信頼できる認証制度や再生紙を優先的に利用すること
・保護価値の高い地域を破壊していないこと
・伐採にあたって原木生産地の法令を守り、適切な手続きで生産されたものであること
・重大な環境・社会的問題に関わる事業者の製品ではないこと
教育分野から初めての参画 これからを担う子どもたちにも
CSPUでは初めての教育分野からの参画となる公文教育研究会。
公文教育研究会はこれまでも、社内で使われる紙はもちろんのこと、やはり主役となる教材として子どもたちが手にとる紙の環境配慮についても確認を行なってきました。またWWFジャパンも、子どもたちに向けた同社との協働の取り組みのなかで、イベント等の場を通して、紙をはじめとする身の周りの製品が、世界の環境問題とつながりがあることを伝えてきました。
この度のCSPU参画によって、さらに一歩踏み込んだ持続可能な紙利用に同社が取り組んでいくこと、そして将来を担う子どもたちにも、その意味が伝わっていくことをWWFは期待します。
公文教育研究会より 参画にあたってのコメント
KUMONは2018年に創立60周年を迎えました。子どもの能力に合わせて確実なステップアップを図る公文式教材は世界共通で、世界50の国と地域(2018年9月現在)に広がっています。普遍的な教育法だからこそ、たとえ国が変わっても、高い学習効果を発揮しております。
貴重な資源である紙を利用する企業として、質の高い教育を提供し続けることを目指し、地球環境を持続可能にするための環境に配慮した活動を行ってまいります。